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第252話 商業ギルドに到着っ

「カンバスさんが来るんじゃないの?」

 仕様書の確認を終えて、再び馬車に乗り込みながら、ティティは不思議になってブライトに尋ねた。

 あの勢いなら、絶対商業ギルドまで来ると思ったよ。

「うん、これは俺、いや私が見つけた案件だからね、私が担当するよ」

 走り出した馬車の小窓からひょいと後ろを見れば、カンバスが、頭を下げている。

 それにティティも軽く頭を下げると、斜め向かい側に座るブライトに更に聞く。

「じゃ、スローター商会に来る事なかったんじゃない?」

「そこはほら、売り出しは商会(うち)に任せるから、面通しは必要でしょ? 話だけだと不安じゃない?」

「ああ、そういうことか」

 私の不安を予め除こうとしてくれた訳ね。

 ブライト、こちらをよく考えてくれてるな。軽いだけの男じゃないみたいだ。

「ありがとう」

「いえいえどういたしまして」

 ついでにルミエールにもお礼を言っとこう。

「ルミエール様もお付き合いありがとうございます。その上、商業ギルドまでお付き合いいただいて、お忙しいのに、恐縮です」 

「子供がそこまで気にすることはありません。私はこの視察団の団長ですから、団員の面倒をみるのは当たり前です」

「団員?!」

 いつの間に!? おまめだとばかり思ってた。ちゃんとした団員扱いしてくれてたのね。

 慣れない土地で、やはり付き添いがあるのはありがたいな。

 なんてたって、まだ子供だ。

<お主も、大人になったり、子供になったり忙しいな>

 黒い毛玉、黙って。

 馬車は程なく、商業ギルドに到着。

 やっぱり、冒険者ギルドよりも品があるように感じるのは気のせいか。

 荒くれた感じがしない。冒険者ギルドは荒事担当、商業ギルドは、頭脳担当ってところか。

 ブライトは勝手知ったるところとばかりに、率先して中へと入っていく。

 商業ギルドは茶色のレンガ造りの3階建ての建物。

 中は、正面に受付のカウンター。右側には、3人から4人掛けのテーブルがいくつか並んでいる、フリースペースだね。奥にカウンターがあり、マスターが1人。左側には扉がいくつか並んでいる。

 作りは、東の辺境の商業ギルドとほとんど同じだ。

 作りの規格が決まってるのかもしれない。

<それは当たってるかもしれぬぞ。見知らぬ土地に来て、慣れた作りの建物があれば、安心感があるだろうからな>

 スヴァ、瞬時にそう考えるとか、すげえな。

「ティティちゃん、商業ギルドカードを受付に見せてもらえる?」

 邪魔になるからと、カウンターから少し離れたところで待っていたティティをブライトが呼びに来た。

「ちょっと行ってきます」

 ルミエールに一言断って、カウンターに近寄っていく。

 担当してくれているのは、オレンジ色のショートのお姉さんだ。

「ようこそ、ブリストン商業ギルドへようこそ。歓迎します」

「ありがとうございます! ティティルナです。ティティって呼んでください。お世話になります」

 満面の笑顔ではきはきと!第一印象は大事!

「あら、丁寧なご挨拶ありがとう。私はリッチと言います。よろしくお願いします」

 うん。仕事が出来そうな素敵なお姉さんだ。特に胸のふくらみが理想的だ。

 安心感を与えてくれそうである。

<幼女のコメントではないな>

 ついて来ていたスヴァがぼそりと洩らす。

<そっか?>

 健全な感想だと思うが。幼女としてはどうだろうか。

「ご用件は、スローター様からお伺いしております。あちらの4番のお部屋でお待ちください」

 にっこり笑って示されたのは、左側に並ぶ、個室の1つである。

 後の予定も詰まってるしね。さくさくすませるよっ。

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!

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