第248話 下心ばればれ?
そうだ。お城に帰る前にルミエールに聞いておかないといけない。
「あの、明日の予定ですが、今日視察予定だった貧困層地域に行きますか?」
「ああ、そのつもりですが、他に希望でもありますか?」
「いえ、ありませんとも!」
ないよ。今日のことで、視察の日程が延びてるのに、ある訳ない。
それも私の行きたいところに行けるのだから、文句なんてないない。
でも、そうか。それならば、ちょっと買い物したいな。
「あの、それなら明日の準備で、ちょっと買い物をしたいので、私だけ適当なところでおろしてもらえないでしょうか?」
ルミエールの目がすっと細まる。
えっ。何か失敗した? ブリアを見ると、額に手を当てている。
「あの、ささっと買ってすぐに帰りますよ?」
「何が必要なのですか? 今すぐに話しなさい」
幻聴だろうか。さっさと白状しろと言われてる気がする。
別に隠す事でもないので、買いたい物、それがなぜ必要なのかを話す。
「わかりました。それはこちらで用意しましょう。だから貴女はこのまままっすぐに帰るのです」
「でも」
「いいですね?」
「はい」
あーあ。寄り道できなかった。その下心がばれちゃったかな。
<お主、すぐに帰ると申したのは、いつわりか?>
<いや、すぐ帰るつもりだったよ? でもさ、一か所ぐらい寄っても大丈夫かなっと>
<お主は、こりぬな>
<だってさ、久しぶりに来んだぜ。この前来た時は、スヴァを討伐するので、緊張してたし、心に余裕がなかったんだよ。ちょっとくらいいいかなっと。ほら、先の事はわからないしさ。なんせ、1人旅だと思ってたのに、こんなに大所帯になってしまったし、それに窮屈になってしまったから、遊べる時に遊ばないと>
<昨日冒険者ギルドに行った際に楽しんだろう>
<えー、あれじゃ足りないよー>
<その気持ちが滲み出ておったのだろうよ>
<やっぱり?>
あー。残念。
馬車の窓の外に流れる街並みを見ながら、ティティはがっくりと肩を落とした。
私も遊ばせてくれよっ!
短いので、今日はもう一話更新します。




