第245話 先延ばししたけど、やっぱり大惨事
短めです。
そしてあっという間に夕方。
またも大惨事である。
あれから、ティティとブリアは遠慮しながらも、一緒に昼食を食べて、おチビたちと遊び、昼寝をさせて、また遊んで、気が付いたら、夕方で、ルミエールたちが迎えにやってきた。
流石にもう引き延ばす事はできない。
「あー、ごめんな。ねえちゃん、もう帰んなきゃなんだよ」
「やあああああ!」
「だめえええ!」
いくら言い聞かせても、おチビたちは首を振るばかりで泣き止まない。
これ以上泣いたら、身体に悪い。
おチビたちは後の事は考えずに、力の限り泣くからな。
「ほら! 泣き止め!」
おチビたちの顔を一人一人拭いてやる。
「また、来るから、泣き止んで。目がとけちゃうぞ」
「「「「「「「ほんと?」」」」」」」
「本当だ」
子供との約束は絶対守るぜ。
そうしなきゃ、このチビどもはずっと、ずっっと待っちまうからな。
「そんときは、またお土産を持ってくる。今日ももう一つお土産を院長先生に渡しておいたから、後でもらって食べな」
「「「「うー」」」」
それでもおチビたちはいやいやと首を振る。
「ティティ」
ルミエールが催促する。
院長先生に合図をする。
そして後ろに控えていた年長組が一人づつ、おチビたちを少し強引に抱き上げて、廊下を歩いて行く。
「やああああ!」
「だめえ!」
「はなしてええ!」
ティティの方に目一杯手を伸ばしてくる。
中でも、泣いて暴れているのはチーだ。
うう。おチビと遊ぶとこれが辛いんだよなあ。
でも、すまん。もう帰らなきゃだ。
「院長先生。一日お世話になりました。後のことよろしくお願いします」
この後のフォローが大変なんだよな。おチビたちすぐに泣き止んでくれるといい。
「大丈夫ですよ。けれど、これだけ懐かれるのも珍しいですね。きっとティティさんはとても優しいのね」
「いえ、きっととっつきやすかったんでしょう。それに外からの人って珍しいですからね」
「ふふ。よくわかってるのね」
「ええ、まあ」
そこはあまり突っ込まないで欲しい。
「院長先生、これ、午前中話した、蜂蜜の飴です。出すタイミングがなくて、明日以降おやつにするか、ご褒美にあげるかしてください」
「ふふ。私たちの武器に残してくれたのね」
「いや、たまたまです」
「そうね。これで、おちびちゃんたちの機嫌をとれそうね」
「よろしくおねがいします」
「では、院長、また来ます」
「はい」
院長、社交辞令だと思ってるよな。
いや、私来るよ。おチビたちと約束したからね。
待ち人が来ない辛さを味合わせたくないからね!
さあ、帰ろうかね。
おチビたちと遊ぶと別れがつらいんですよねえ(´;ω;`)




