第243話 おチビたち行進
おチビたちを引き連れて、次に向かうは厨房である。
ご飯の用意をしている、子たちにも雪菓子を進呈。
ここは食材を扱っているので、皆の手は綺麗なので、おチビたちに普通に渡してもらう。
口にいれてやる必要はないからな。
「「「「ありがとうございます!」」」
うんうん。いいねっ。女の子の笑顔はやっぱりよいねっ。
厨房は女子率が高く、雪菓子2つあげると、1つは大事に取っておく子が多かった。
すぐに腐らないと思うけど、早めに食べてな。
「忙しいところ、失礼しました。昼食の支度頑張ってくださいね」
あんまり邪魔しちゃ悪いからね。
「よし! お部屋に戻るよ!」
そうして、おチビ部屋に帰ってきて、院長先生の顔のパズルでまた遊んだ。
「「うええええん!」」
しばらくして、問題が発生。ティティが作ったパズル破れてしまったのだ。
仕方ないよね。紙で作ってるから、やわいし。
ピーピー泣くトムチビ、セリチビ。
「あー、大丈夫だから。すぐに新しいの作ってやる」
今度は、ちょっとデフォルメされた、マルク少年の顔を作ってみた。
「マルクにいちゃだっ」
泣いたクローがもう笑った。
キャッキャッとおチビたちは新しいパズルで遊んでいる。
「んー。やっぱ、もっとちゃんとしたの欲しいなあ」
これもすぐに破れてしまうだろう。
孤児院の子たちが作ると言ってるけど、早めに木で作ってやりたい。しかし私そんな時間ないしなあ。
どこかに頼むか。子供が作ったものより、職人に作ってもらったほうが安心だしな。
<お主、またここに来るつもりか?>
スヴァが心話で尋ねる。
<んー。わからん。でも、少なくとも、これの新バージョンは届けたいなっと>
<お主は、お人好しだ>
<そっか? だってよ、私今、お金に余裕あるからさ、これくらいはしてやりたいかなっと。ほら袖振り合うも他生の縁っていうだろう>
<シンカ国の北方のことわざだな>
<おまっ、本当よく知ってるな>
<お主こそ>
<私は知り合いから教えてもらったんだよ。よい言葉だからな>
<うむ>
<ところでよ、おチビたち、スヴァのとこに来ないな。なんでだ? 普通なら行くだろ?>
<獣に近寄っちゃいけないと言われてるだろう>
<そっか。確かにそれ大事だな>
<それに、少し人払いしてるからな>
<なんだ?>
<うむ。少し寄るなオーラを出した>
<やっぱりか! そうだと思ったよ! なんでだよ!>
私の思惑通りだ。
<我はもみくちゃにされたくないっ!>
理由もドンピシャあたりかよっ。
<なんだよ!少しはいいだろうが。面倒みてやれよ>
<いやだ。加減がわからん。ぷちっとやったら大変だからな>
ああ、こいつなりに気を使ったのか。
子供の相手をしたことがないのかもしれない。
それだと確かに怖いな。
<私と同じようにしたら、大丈夫だよ>
<お主とは違うだろう>
<はあ、まったくおチビたちより人見知りなんだからな。次来たら、相手してやれよ>
<考えておく>
そうこうしているうちに昼ご飯の時間になった。
なかなか充実した午前中だったなっ。
楽しい時間はあっと言う間にすぎてしまいますね。




