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第235話 街への視察開始!

 翌日。

「今日は君の提案を考慮して、視察場所は孤児院と貧困層が住む地域になりました」

 騎士食堂での朝食を終え、お腹がこなれたところで、ルミエールがそう切り出した。

「了解しました」

 もしかしてと思ったけど、私の意見が通ったんだ。

 なんでだろうね。

 どちらも見たいなあと思ってたところだし、反対はない。

 予め考えていた場所と違ってたりしなかったのかな。

 まあ、視察団の責任者がそう決めたなら、こちらとして文句はない。

 ティティは所詮おまめでもあるし。

「他に行きたいところはありませんか?」

「大丈夫です」

「よろしい」

 ルミエールが重々しく頷く。

「それでは! 昨日に引き続き、案内は私、ブライトがさせていただきます! どうぞよろしく!」

 うん。昨日途中から気軽になったなあと思ったけど、更に軽っくなったように思えるのは気のせいかしら。言葉は丁寧だけど、雰囲気がね。

 いや、いいよ。固いよりね。

「ではでは早速ですが、出発しましょうか」

 今日のメンバーはルミエール、ヒース、ブリア、ブライト、そして私とスヴァ、後、新たに護衛の人が2人である。

 護衛かあ。うちのメンバーはみんな強そうだし、護衛なんていらないと思うけど。

<体裁というものじゃないか?>

 スヴァが隣を歩きながら、心話で呟く。

<我もたまに外出する時に、付けられたぞ>

 なるほど。そういうものか。

 私はよわよわだから、護衛がいてくれるのは安心だけどね。

 城の外に出ると、馬車が止まっていた。

 お貴族様が使うような立派な馬車ではなく、商人などが使うような地味目な馬車だ。

 そうだよね。いかにも視察っていう感じを出さんでもいいもんね。

「さあ、お乗りください」

 ブライトが促す。

 孤児院までは馬車で行くのかあ。

 私は歩きのほうがいいけどなあ。

 道を覚えられるし。昨日はちょろっと街に出ただけだしさ。今後を考えるとね。

 それに昨日は午後から街に出たから、午前中の街の様子見れてないんだよねえ。

 歩きだと、ほら、街の雰囲気って感じられるじゃん。

 そうは思っても口には出せない。

 私はおまめだ。

 粛々と馬車に乗るよ。

 あ、ちなみに今日の服装はブルコワ様にもらった服からブリアがチョイスしてくれた。

 視察に行くのだ、それなりの服装をしないといけない。

 TPO大事。

 それでなくても、7歳の幼女が視察なんて目立つし。

 この服装なら、大人しくしてれば、商人の娘くらいには見えるだろうか。

<変わらぬぞ>

 うんスヴァ。忌憚ない意見をありがとう。

 私もそう思うよ。

 そうしているうちに目的の孤児院に着いたようである。

 馬車だと早っ。

街中の移動はできるだけぽこぽこ歩きたいですね。

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