第230話 ひょっ! いいんすか!?
「かしこまりました。では、こちらに買い取り品をお出しください」
ナレルがティティ説明に納得したのかはともかく、話を進めてくれるようだ。
「了解です」
そうそう。ちゃっちゃと行こう!
この後は楽しい夕飯が待っているのだ!
ティティはさっき、カウンターに出したものを含めて、次々と出していく。
個室に通されちゃったし。目立っちゃった後だし。もういいや。
売りたい物出しちゃうよ。
その為に、昨日部屋で整理したんだしね!
目の前の長方形のテーブル結構大きいから、出し甲斐があるしね。
それでも全部乗らないかな。よし、まずは乗る分だけっと。
「これは」
ナレルさん、驚いてるな。そうだろう、そうだろう。
特に超レアなものとしては、キリリ草、タジリヒネの花、マンダリガラ草だ。
キリリ草は特級軟膏の材料になるレア薬草だ。ひどいけがで後遺症が残ってしまった場合でも、この薬草を使った軟膏を持続的に塗ると、後遺症が消えるすぐれものの軟膏である。
特にマヒによく効くとされている薬草、ダジリヒネの花、マンダリガラ草は、身体の欠損さえもたちどころに直してしまう特級ポーションの材料である。これらは主にアーリデアルトの森に生息している。もちろん他でも取れるけどね。国守さまが降臨されたところに多く生息してる気がする。
魔物の多いこの地では特に需要が高いことだろう。
よい値段付けてくれよ。
どのくらいいくかなあ。
金貨8枚は行くか?
いや、も、もしかして大金貨1枚言っちゃうか?
もしかして2枚いっちゃうかも!
ティティが期待と妄想を膨らませている間に、ナレルが査定を終えた。
「大変貴重な薬草を沢山ありがとうございました。それに採取も非常に丁寧で、何より状態がすこぶる良いです」
でしょう!
だって、採りたてほやほやのみずみずしい状態のままだもんね! ありがとう!亜空間よ!
これはもしかしてもしかするか?
「全部で大金貨6枚と金貨8枚でいかがでしょう?」
「うええええ!」
驚きで、変な声が出た。
「不足だったでしょうか?」
ナレルが眉間に一本皺を寄せる。
「わかりました! 後金貨1枚追加しましょう!」
増えた!
いや、違うんっす。あまりの金額に驚いただけっす!
「ありがたいんですけっど、そこまでっすか?」
「ええ。近頃これらの薬草は滅多に持ち込まれません。これからもティティ様とは良好なお取引をお願いしたいので、少し色を付けさせてはいただいてますが、正当なお値段だと思います」
マジで?!
後ろをちらりと見上げるとヒースとブリアも頷いてくれる。
そっかあ。7年前も同じもの売ったような気がするが、そんなにもらったかなあ。
<買いたたかれたんじゃないのか?>
あーそだったのかなあ。
それもありそうだけど、ナレルの言った通り、超レアで数年で価値が上がったのだろう。
「それでお願いします」
ともあれ、これだけもらえたら、当面は困らないな。
孤児院のチビたちにも土産の食い物がたくさん買えるぞ!!
売り物に値段つく時ってどきどきしそうですね。変な声も出そう(笑)
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