表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
230/496

第228話 色っぽいお姉さん好きです。でも目がこわっ

 たのもー!!っと元気よく入りたかったが、目立ってはだめ。

 だから実際にはブリアに促されて、そろ~っと冒険者ギルドに入る。

 うん。中は、ティティが知ってる馴染な作りだ。

 真正面にカウンター。左側の壁には依頼が張ってあるボードがあり、酒場が広がる。

 右側には階段と奥へと続く長い廊下があった。

「ん~」

 どうしよう。まずは依頼を確認しようかな。

 ただの買取よりも、依頼にひっかかってれば、ランクやお金にも影響するからねっ。

「買い取りをお願いする前に、依頼がどんなのがあるか見て来ていいですか?」

 そして重要ポイント、1人で見てきていい?って暗に含んで2人を見上げる。

「何を言ってるんだい! ちいぶっ」

「貴方は黙ってなさい。いいわ。行ってきてちょうだい。その後買い取りを済ませてきてもいいわよ。私たちは何か飲んで待ってるから」

 ブリアが手で口を叩いてヒースを黙らせてくれた。

 ブリアわかってくれてるね。

 そう、ぞろぞろ行ったら、目立つからね。目立つのは私でなく、ブリアとヒース。

 だって美男美女なんだもの。自然目を引いてしまうのだよ。

「ありがとうございます。いってきますね」

 スヴァを連れて、依頼ボードを見て行く。

 午後も半ばすぎた時間帯だ。きっといい依頼は残ってないだろうなあ。

 ティティは首をぐいっと上に向けて、依頼を確認していく。

 やっぱ、よいのはないねえ。

「常時依頼はどうかなっと」

 端に追いやられた感のある、常時依頼に目を向けると、初心者向けの薬草採集からレアな薬草採集の依頼があった。

「よっしゃ! ラッキー! アーリデアルトの森で採ったやつが依頼に出されてるぞ」

 その依頼書を持って、カウンターに近づく。

 空いている時間帯なのか、並んでいる人がいない。

「こんにちは! 初めまして! ティティと言います!」

 挨拶は元気よく! にっこりと! 笑顔はプライスレスだ! ただで使える愛想は最大限に!

「最近この街に来ました! 来る途中に薬草を採取しながら、来たのですが、この依頼の薬草が丁度手持ちにあります。受付お願いします!」

「ようこそ! 歓迎します。ではまずはギルドカードの提示をお願いします」

 子供だけど、丁寧に対応してくれる。

 うん。いいねっ。この街の冒険者ギルドはよい感じだ。

 にしても、金髪をアップした色っぽいお姉さんだなあ。

 冒険者ギルドの受付って、本当美人が多い気がする。

「了解です! よろしくお願いします!」

 ティティはギルドカードとついでに依頼書も渡す。

「カードを確認しました。次に依頼は、えっ、この薬草依頼ですか?」

 うんうん、わかるよ。レアな薬草だもんね。

 ティティが持ってきたのは、イクナ草。

 かなり深い傷でも治してしまう軟膏を作るのに欠かせない薬草である。

 けれど、見つけるのが大変難しい薬草でもある。

「はい。たまたま手にはいりまして」

 ティティはイクナ草10本をカウンターに乗せた。

「まあ! では拝見します」

 綺麗なおねえさんがじっくりと薬草を確認する。

「きれいに採集されてますね。3本で大銀貨5枚1本増えるごとに大銀貨1枚追加なので、金貨1枚と大銀貨2枚ですね」

「ありがとうございます!」

 すげえ! 思ったよりも金になったぞ!

「こちらこそですわ。このイクナ草はこの地ではいくらあってもよい薬草ですから」

 ふふ。狙い通りだ。

 ティティは勢い込む。

「あの! 他にも買取をお願いしたいんですけど、こちらで大丈夫ですか? それとも買取カウンターに行った方がよいですか?」

「いえ、今は空いてますから、私が担当しますわ」

「えっとそれじゃあ、お願いします」

 アーリデアルトの森産のものって、超レアものが多いからな。まずは無難なものから出そう。

 私は思慮深いのだ。

 そう、ちゃんと考えて、薬草をカウンターに出していく。

 ちゃんと仕分けをしたから、収納袋からすぐに取り出せるよ。

 ほらほら、お姉さん見てみて。

<おい>

 スヴァが制止するような声が心話で響く。

<え?>

 なによ?

 その声にふっと目をあげて、受付のお姉さんを見ると、すっげえ目が細く鋭くなっていた。

 ちょっ! さっきの優し気なお顔はどこに!?

「ティティ様」

「は、はい!」

「少々お待ちください」

「喜んでぇ!」

 お姉さん、その低い声やめて!

 薬草を取り出すティティの手を、目線で止めるお姉さんが恐い。

 私なんかしたか?

 不安を煽った受付嬢は、さっと踵を返すと、奥へと引っ込んで、すぐに戻ってきた。

 そして右側に伸びる廊下をさす。

「あちらの廊下を進んで、手前から3番目のお部屋でお待ちいただけますか」

「うえ?!」

 もしかして、私やばめなブツ出しちゃったか?

 まとまったお金が欲しかったから、つい出しすぎちゃったか!?

<7年のブランクがあるのだ。仕方あるまい>

 うう。スヴァ、フォローありがとお。

 はあ。個室に行くなら、ヒースとブリアに声かけないと。

 しょっぱなからしくじった。

 とほほ。

いつもお読みいただきありがとうございます!

少しでもおもしろいっと思っていただけましたら、ブクマ、評価をどうかよろしくお願い致します。

励みになります~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ