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第209話 やっと着いたね、城塞都市ブリストン

 そんな西の辺境領の領都城塞都市ブリストンに、ティティたちは無事到着した。

 高い高い城壁にあるこれまた大きな城門で、訪問目的を告げて、すんなりと門を通る事ができた。

 魔王領に最も近接している土地であるが、訪れる人間は多い。

 なんと言っても、魔物が他の地域よりも段ちで多いのだ。

 流石に初心者は少ないが、初心者にちょっと毛が生えた冒険者から上位ランクの冒険者まで、富を求めてやってくる。人が増えれば、そこには商機が増える。てな訳で、商人もやってくる。

 その為門の前には行列ができていた。

 うえええ。これ並ぶのかよっとうんざりするくに行列が長い。

 しかしそう思ったのは、ティティだけであった。

 後から考えれば、ま、そうだよねって思ったけれども。

 そう、ルミエール率いる我ら一行は東の辺境伯領からきた、視察団である。

 そしてその団長は領主の息子アンドお貴族さまである。

 ルミエールは慣れた様子で、貴族専用の入口へと馬をすすめ、要件を告げる。

 すると、すんなりと門を通ることができた。。

 大きかったのはルミエールの存在だろう。帯剣していた剣の紋章、それと我らが視察団団長の顔だ。

 一度見たら忘れられないほどの美人さんなのだ。担当していた門番の兵士はルミエールを覚えていたらしくスルーっと通してくれた。

 いわば顔パスであった。

 いいのか。門番。

 横を通り抜ける時に見た門番の顔。

 うわあ、頬を染めてる。

 うんうん、わかるよ!

 美人さんであれば性別関係ないよねっ。

 眼福だよねっ。

 ルミエールは慣れているのか、ガン無視である。

 いやあ、待たずに入れたのはよかったけれど、ちょっと後ろめたさを感じるのはティティが平民だからだろうか。

 ティティは少し離れた通常の入り口でずらりと並んでいる皆様に心の中でぺこりとしつつ、中に入った。でも通行料はロハになった。ラッキーである。

 下りることなく、ティティを乗せた馬がルミエールに操られながら、進む。

 少し薄暗い城門を抜ける。

「うわあ!!」

 辺境とは思えない整備された石畳やレンガ造りの建物。街に入って来た旅人をターゲットに呼び込みを行う威勢のよい声が響く。絶えずせわしなく行き来する人、人、人。

 ゴルデバが不作に悩まされていた為、地方都市としては大きかったが、少し寂しい感じがしていたが、ここは違う。

 人が、動物が、街がエネルギーを発散している。

 気を抜くと、押されそうなほどの活気に満ちている。

 王国で危険地帯上位にランクインしている、ブリストン。

 危険と隣り合わせの土地でありながら、いや隣り合わせだからこその熱気か。

 それは、必ず守り抜く鉄の騎士団への信頼も一役買っているのは間違いない。

 けれど、それよりも、やってやるぜ!と富を求めてやって来たたくましい人間が多いと言ったところかもしれない。

 だからだろう。殺伐とした雰囲気はない。

 王都と負けず劣らず、結構な人の営みが繰り広げられていた。

 7年前もこうだっただろうか?

 魔王討伐隊の一員として来てたし、11歳のライアン少年もいたし、あんまり覚えていない。

 それでも街を少し見て回った。

 旨いものもあった。

 それが魔王が討伐されて、平穏を取り戻して7年である。

「これは期待できるね」

 思わずティティはにんまりとする。

 きっとノアへのお土産もたんと見つかるだろう。

 期待が爆発的に膨らむティティだった。

やっと今回の舞台に到着しました(笑)。

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