表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
208/496

第206話 元気出して、進もう!!

「国守さまとお話した内容は、これですべてですか?」

 ルミエールがティティに問い掛ける。

「ええと。はい」

 ティティとスヴァの身体の改善についても考えておいてくれるというのは黙っていてもいいだろう。

 ずるっとペロッとスヴァの前世を話してしてまうといけないしね。

「そうですか」

 ルミエールは少しがっかりしたような雰囲気を漂わせている。

 ブルコワ様への言葉が欲しかったのかな。

 それなら、先に言っておいてくれれば、聞いて来たのに。

 あ、ルミエール、自分も国守さまの傍にいけると思っていたから、私に伝言しなかったのか。

 もう。自信家なんだから。

「ルミエールさま、聞けるものはすべて聞けたことですし。今日はもうお休みしてもよいでしょうか?ティティも色々あって疲れていると思いますし」

 ブリアが区切りと見て、そう提案してくれた。

 うん。ありがたいね。

 だって、本当疲れたよ。

 肉体的にではなく、精神的にね。

 話せる話はしたから、今日は終わりでいいよね。

<半分も話してないのではないか?>

 スヴァが呟く。

<そうだね。話せないことが多いよね>

 ま、いいよね。このパーティは臨時だし、仲間という訳ではないからね。

 ヒースやブリアは信用してもいいけど、お役所勤め(おしろつとめ)だから、強く言われたら、秘密にしてって言った事も話してしまうかもしれない。ならば、知らない方がいいだろう。

 ルミエールに関しては、私を監視している部分の方が大きいんじゃないか?

 あわよくば、父の領土の発展のために利用できればと考えているに違いない。

 なら、こちらも利用できるところは利用してもよいだろう。

「ティティ、部屋に戻りましょう」

「うん」

 ブリアの言葉に、ティティは椅子から立ち上がる。

「西の辺境領に着きましたら、色々教えてもらえますよう、よろしくお願いします」

 最後にぺこりと頭を下げる。

「承りました」

「ああ! 任せてくれたまえ!」

 ルミエール、ヒースから心強い言葉を貰う。

「それでは、明日も早いと思うので、休ませてもらいます。おやすみなさい」

 そう挨拶して、ブリアとともに、男性陣の部屋を後にする。 

 ノアを迎えに戻ってくる為には、国守さまの課題(しれん)をクリアしなくてはならない。

 ルミエール、ヒース、ブリアたちの目的は西の辺境地の視察だ。

 その合間でも構わない。

 城や街を様子を教えてくれるだけでもいい。

 3人の協力はぜひ必要だ。

 何せ、西の辺境には7年前、ジオル時代(ぜんせ)で魔王討伐の為に訪れたきりで勝手がわからない。その時もその他大勢の1人で行っていたので、お偉いさんには遠くから眺めただけだ。

 誰が救いを求めているのか、見当もつかない。

 頼れるなら頼らせてもらおう。

 1人と1匹で立ち向かうよりずっと効率がいい筈だ。

<ノア、待っててね。ねえね、がんばるよ!>


 明けて翌日。

 西の辺境伯領に向かうにあたり、余計な寄り道なしと、出発早々、ルミエールから言い渡されて、ティティは叫んだ。

「そんな殺生な!!」

 そりゃ、早く自分の用事と国守さまの試練を済ませて、なるべく早くノアを迎えに行きたいと思ったけど!

 そう言ったけれどもや!

 少しは道中楽しみたいとの気持ちは、ちょぴーっとあった訳で。

 だって、ノアと離れるのはつらいけど、考えてみれば、国守さまに預けているのだ、安全は100パー保証されている訳で。

 だったら、ほんの少し、ほんの少しだよ?

 道中楽しんでもいっかと一晩明けて思い直した訳で。

 それをそれとなくルミエールに告げたのに。

 のに!

「貴女は自分の楽しみの為に、弟により寂しい思いをさせるのですか?」

 と、ルミエールはよい笑顔で却下した。

 そしてあろうことか、ノアがいないからと、更に馬の足を早めてくれっちゃたりした。

 くそう。ティティだって、まだ7歳の少女。幼女としてもよい年齢なのに。

 宿につけば、ご飯食べるのも億劫なくらいヘロヘロで。

 それでもなんとか行く先々の村や町を少しでも見て回りたいと、ルミエールにお願いしたのに。

 明日に備えて早寝しろと、ベッドに押し込まれて全然遊べなかった。

 その上、ティティと2人部屋になったとこれ幸いに、ブリアの聖力訓練には付き合わされて。

 ちくしょー。私は仕事で来てる訳じゃないんだぞ。

 いや、まあ、国守さまにやんわりと課題(しれん)は受けっちゃたりしてるけれども!

 期限は区切られてないし!

 ううー。

 名物料理、食わせろー!!

 観光させろー!!


 そんなこんなで、思ったよりも早く西の辺境伯領領都ブリストンへ、ティティたちは到着したのである。

 ルミエールのいけずーー!!

 くう!

予告通りアーリデアルトの森編、これにて終了です。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました<m(__)m>

次回更新はまた少しお時間いただきたいと、存じます。

なるべく早く戻って来たいと思っております!

そしてそして、ブクマ100件到達致しました!ありがとうございました~!

すごい励みになりました~!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ