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第191話 ん? 必要なのよ?

「ちょっと待ちなさい。なんですか、その装備は」

 ティティが森へ出発の前に一度宿に戻り、忘れ物はないか、収納袋に入った道具を点検しているところで、ルミエールからの物言いが入った。

「えっ。国守さまのとこに行く準備だけど?」

 ブラシ、おけ、ぞうきん、ほうき、ちりとり、はたきなどなど。

 うん。森に入るのに必要なものだ。

「あ、そうか。ルミエール様たちは初めてだもんね」

 これはいけない。説明が必要だ。

「あのね、森を少し入ると小さな(ほこら)があるの」

 教会とは別に本当に小さな祠があるのである。

 村ができる前からある、国守さまが祀られた小さな祠だ。

「そこまで入れる人もあんまりいないから、きっとすごい汚れてると思うんだよ。だからこれらが必要かなって」

 なぜそこに祠があるのか。

 それは村ができる前まではその祠あたりまでが、森の境界だったらしい。

 村が出来て、人が増える事で、少し森が深くなったと以前聞いたことがある。

<あまりほいほい来られると、国守も鬱陶しいのだろうよ>

 スヴァが髭を洗いつつ、心話で呟く。

 ちょっ。なにそれ。国守さまは人に優しいよ。

<優しいばかりではないぞ。奴は神の代弁者なのだからな>

 確かに。その神の厳しさを人一倍感じているのはまさしくスヴァ(もとまおう)だろう。

 所説あるかもだけどっ!詳細は不明ってことにしておく。

 心の平穏の為にもっ。

「だからね、掃除をしたいなって思ったんだよ」

 たとえそこに国守さまが降りなくても、教会と同じようにいつでも来ても大丈夫なように綺麗にしておきたいじゃないか。せめて訪れた時だけでもね。

「小さなレディ! なんと尊き考えだ!」

 なにやらヒースが感動している。ブリアも頷かんでいいから。

 普通の考えだから。

 普通だよね?

ティティ、なかなか森へ出発しないですね(笑)

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