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第186話 第一目的地だよっ

説明が多いです。さらっと読んでいただければ、幸いです。

「着いた~」

 ルミエールに馬から下ろしてもらいながら、ティティはマノリ村を見る。

 うん。あまり変わってないね。ここに来るまでの間に寄って来た村と大差ない。

 ただ大きく違っているのは、村に不釣り合いなほど大きな教会があるくらいかな。

 国守さま、御使いであるアマノリア様を超信仰している村らしい。うん。

 ゴルデバの街からここまで、(ぜんせ)の時よりも遠く感じた。

 やっぱり身体が小さいからかな。ふむ。

 旅の前半、パーフェクトとはいかないまでも、おおむね満足な旅路だったかなと思う。

 最低ラインの食べ歩きはできた。それにノアが最初の一回以降熱を出していない。

 これは安心材料ある。

 それが旅の進行速度によるもの、プラス大人の同行者がいることによる安心感が大きいのかは定かではない。ただ、1日に2か所遊びにいくと疲れすぎてしまうというのはわかった。自重しようとは思う。で、できるだけ。

 ともあれ、ルミエールはちゃんと約束を守って、3か所寄り道させてくれた。

 そしてその後はグルメを追求することなく、国守さまが降臨されるアーリデアルトの森一番近い村、このマノリ村まで最短でやって来た。

 ルミエールたちの主なの目的は西の辺境ブリストンの視察である。加え、私がいるからアーリデアルトの森も追加されている。

 もっと寄り道したい。美味しいもの食べたいっとこれ以上は我儘は言えないだろう。

 うん。私、大人になったね。

 さて、国守さまがいるアーリデアルトの森。

 そう言われているが、ずっといる訳ではない。

 国守さまは基本、天上に居られる。

 そして必要に応じで下界に下りて来られる。

 その必要に応じてというのはいつか。

 それは私を含め人には予測できない。

 ただ、国守さまとお会いできる窓口の1つが アーリデアルトの森にある。それだけだ。

 これは広く知られている事ではない。

 が、秘密でもない。

 私がなぜ知ってるかっていうと、ジオル時代に国守さまから直接聞いた。

 最低限窓口作っておかないと、なんか面倒らしいよ。

 言うまでもないが、国守さまは下界に下りようと思えばどこでも降臨できるよ。

 ゴルデバに降臨されたようにね。

 ちなみに、なぜ国守さまが降臨されたかわかるかというと、国守さまが降臨されるとその瞬間森がぽわっと光るのだそうだ。

 私は見た事がないけどね。

 こちら(人間側)から国守さまに会いたいと思ったら、国守さまの地上の窓口に足を運ぶ必要がある。

 それがここアーリデアルトの森だ。

 そのほかの場所は平民が行くには超ハードルが高い。

 そして面倒臭い。

 ここアーリデアルトの森でさえも、こちらが会いたくて足を運んでも、国守さまが会ってくれなければ会えない。

 それはそうだ。相手は御使いさまである。

 天上の者であり、神の代理人なのである。

 国守さまに拒否られた場合、森に入れないし、国守さまのところにもたどり着けないのだ。

 まあ色々と述べてきたが、それは世間一般に言われてることで、ジオル時代は結構国守さまに会っていたように思う。

 国守さまについてのうんちくはこの辺にして、次にアーリデアルトの森について説明しておこう。

 アーリデアルトの森。

 北のリスコウム連峰のふもとに広がる森をさす。

 高い山々の麓には森や林が広がっている。それらは浅かったり、深かったり様々だ。

 ガンデールが治める領都の北に広がる森もその一つである。

 アーリデアルトの森は、それらの森の中でもとりわけ深い森である。

 王都から最北、そして王国を東から西にぬける丁度中央付近連峰の中央部に位置するところにそれはあった。

 迷いの森、不可侵の森とも呼ばれる。

 そこは御使い様の住まいとも見られているところである。

 この森はどこまで深いのかわからない。この森に人間が入り込むと、大抵はいつの間にか森の浅瀬に出てしまうのである。

 その為森の恩恵を受けられない。その為、マノリ村を除き、この森の付近には村はない。

 ティティたちが今いるのは、その唯一の村、マノリ村ある。

 マノリ村。この村が出来た由来は、1人の旅人が、飢えに苦しみ、森の傍で倒れていたところを国守さまに助けられ、ここに村をつくれとの天啓を受けたことによるものである。

 その為、村には似つかわしくないほどの立派な教会がでんと鎮座しているのだ。

 また国守さまへの信仰が厚いためか、国守さまの好物である果実が多く採れ、名産にもなっている。

 その果実は他で育てるよりも、より栄養価が高く、保管方法も国守さまより指示があった為、年間を通して、飢える事がないとされる。

 果実、国守さまが好物。

 旅人を助けたのは慈悲からもあるだろうが、人間に効率的に果実を作らせようとしたのではないかと、ティティはこの話をきいた時に密かに考えたが、それは心の奥にそっとしまった。

 話がズレたが、ともあれ果実は一種類ではなく年間を通して収穫される。

 そして季節ごとに国守さまに奉納されることはもちろん、王家、王都にも出荷もされるー。

「ふふふふ」

 ティティはにやける顔を隠すように、俯いた。

 それでも笑い声は抑えきれない。

 なぜか。それは今時期、秋の国守さまへの奉納と合わせて、祭りが開かれることになっているのだ。

 ティティたちが訪れるちょうどその時に、奉納の祭りにばっちり当たればいいなと考えていた。

 それがまさにドンピシャで当たっのだ!

「ああ! 日頃の行いがものを言うのね!」

 国守さま、ありがとう!

 ティティは両手を組んで、国守さまに祈りを捧げた。

<たまたまだろう>

 スヴァ、だまって!

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