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第185話 おやじ! 日々努力だね!

 店の名前はチョッパヤ亭。

 チョッパヤとはこの地の方言のよう。すごい早いと言う意味らしい。

 名前のごとく頼むとすぐに注文のものが出て来るらしい。

 角のテーブル席に着くと、早速注文。

「おまちっ!」

 ごつい兄ちゃんが、5人と1匹分のタルタル鳥の卵とじ丼を持って来た。

 本当チョッパヤで出て来た(笑)。

「はあ。よい香り~」

 記憶通りに卵がタジタジ鳥のむね肉に絡まって超美味しそう。

 半熟に見えるがちゃんと火が通っている。絶妙の火加減が変わってなかった。

 それに、とじた卵の上に薬味のミツミがのっているのがまたいい!

 よだれがでる。

 冷めないうちに、

「「いただきます!」」

 ノアもスプーンを持って、ご飯を頬張る。

 熱いから気を付けろよ。

 私も早速、卵が絡まったとり肉とご飯を口に入れる。

「うまっ!うまうまっ!」

 タジタジ鳥のむね肉がやーらかい。たれの味も絶妙である。

 ああ。記憶通りの味だ。

 おやっさんの味は変わっていなかった。

「おいちっ!」

 ノアもとなりでにこにことスプーンを口に運んでいる。

 スプーンがとまらない。とまらないぞっ。

 が、そこでぴたりと止めた。

 そうだ! さっき店員に言われたではないか!

 そう、今回変わっていたのは、テーブルに置かれた油だ。

「途中まで食べたら、少しかけてみてください。味が変わってまたスプーンが進みますよ」

 と、ごつい身体に似合わず、丁寧な口調でそう言い残していったのだ。

 ふう。危ない。危ない。油を掛けないうちに食べ終わってしまうところであった。

 今は子供口だからな。辛みだといけないので、端にちょぼりとかけて食べてみる。

「おおっ!」

 香ばしさが加わって、旨い。

 なんだこれ! 炒ったゴマと何が入っているのだろう? とにかく更にうまくなった。

「ノア。これをかけるともっとおいしいよ。かける?」

「ん!」

 そしてノアも一口。

「んん! おいちぃ!」

 どうやらノアも気に入ったようである。

 よきかな。

<スヴァ、おまえはどうする?>

<かけてくれ>

 ティティの足元でマイ丼で食べていたスヴァが、前足で丼を少し前に出す。

<はいよ>

 スヴァも一口。

 ひげがぷるりとゆれた。

 うん。おまえも気に入ったのだな。

 よきよき。

「小さなレディ、私にも少しかけてくれ」

「私も」

「‥‥‥」

 ヒース、ブリア、ルミエールも、ずいっとこちらに食べかけの丼を突き出す。

「はいはい」

 3人の丼にチョッパヤ亭特製油を入れてやる。

 てか、ルミエール声出せよ。

 それにしても、店主なおっさんやるな。

 今までにある味に満足することなく、改良を加えてくるとは。

「はあ! ご馳走さまでした!」

 あっという間に食べ終わってしまった。

 お腹いっぱいだ。

 ヒースとルミエールはもう1つ頼んでいた。

 ブリアはムキムキ兄ちゃんにおすすめなおかずを聞いて頼んでいた。

 私とノアとスヴァは、チョッパヤ亭特製ブレンドのハーブティを貰って大人が食べ終わるのを待つ。

 その間に、ムキムキ兄ちゃん店員に、タジタジ鳥の卵とじ丼がテイクアウトできるかきいたところ、問題ないとのことなので、肩掛けカバン(もちろん国守さまから借りている収納袋である)から、私、ノア、スヴァのどんぶりを3こづつ出して、頼んでおいた。

 後で亜空間に入れ替えておこう。

 その町の名物料理はその地で食べるから、よりおいしく食べられるのだというが、今は亜空間があり、入れた時と変わらずに保管できるから、ここで食べたのと同じように食べられるはず。

 ありがとう亜空間。

 その後、余韻に浸りつつ、宿へと帰った。

 いよいよアーリデアルトの森にあるマノリ村へと寄り道せずに向かおう。

 すっごい残念だけど。

 今日も早めにノアと一緒のベッドで就寝だ。

 おやすみなさい。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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