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第184話 期待と不安と安心と

短めです。

 この旅で一番の期待を胸に、やってきましたタウリ村。

「ふーん」

 村の雰囲気は、7年前と変わっていないように見える。

 この村は大きな街道からは少し外れているので、こじんまりした村である。

 けれど、宿はちゃんとあるので、先にチェックインだ。

「ノア。気分は悪くない?」

「ん! だいじょぶ」

「ちょっとでもへんな感じがしたら、すぐにねえねにいう事! いいね!」

「はい!」

 ノアは手を挙げて、よいお返事をしてくれる。

 うん。うちの子は可愛いね。

 ノアの自己申告では問題ないようであるが、それでも念の為に、割り当てられたお部屋で、少し休憩を取る。

 ノアと私は少し仮眠をとるのだ。

 そしてブリアに起こされて、目的のお店へレッツゴーである。

 ノアと手を繋ぎ、スヴァも隣に従えて、歩く。

 あ、もちろん大人3人ズも、後ろにいるよ。

 その店はジオルの記憶通りの場所にあった。

<やっぱ、ジオル()って存在したんだな>

 心で呟く。

<何をいまさら。いたに決まっておろう>

 スヴァが訝し気に心話で答える。

<だってよ。ティティと入れ替わって、確かにジオル()が表面に出たけど、それを証明する人はいなかっただろっ>

<我や国守、ゴールデンシープたちがいただろう>

<そうだけどっ。そうなんだけどっ>

 それでも、この意識とスヴァでさえ、オリジナルのティティが作り出した人格なのかもしれないとちょびっと不安だったのだ。

 けれど、この地、このお店は確かにジオルの記憶に基づいた店。

 だってティティはここに来たことがないのだから。

<やれやれ。もし2つの人格を作り出したのなら、ティティはなかなか頭のよいお子であっただろうな。細かな設定まで考えられるな>

 スヴァがあきれたように首を振る。

<うっ。この不安は理屈じゃなかったからさ>

 この身体(うつわ)も不安定だから、心も引きずられてしまうのかもしれない。

<ここに来て、不安がなくなったのなら何よりだ。ならば、後は楽しむだけだな>

「おうよ!」

「ねえね?」

 いきなり繋いでいないほうの腕を空に突き上げた姉に、ノアは首を傾げる。

「なんでもないよ! さあいこっ!」

 ティティはノアに手を引いて、お店の扉を開いた。

今日はもう一話更新します。

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