第176話 るんるん♪
しかし敵もさるもの、ルミエールである。
宿泊ごとの観光は許してはもらえなかった。
どうしても食べたい物、買いたいものがある村、街を3つまでと限定されてしまった。
くっ。3つ。少なすぎるっ!
ふ。ここは大人になろう、ティティ。それでも0から3つまで獲得したのだ。
よしとしなければならない。
ティティは次の宿泊地まで頭をフル回転して吟味厳選して、何とか3つまでに候補地を絞り込み、宿での夕食後のお茶の時間に、ルミエールに報告したのである。
そして次の朝。
ルミエールは、日程を調整し終えたらしい。
流石だが、そんなに厳密にしなくてもよかろうよ。アバウトに行こうよ。ルミエール。
ちなみに。
宿で同室になったブリアにこそっと告げられた。私も観光したかったのよと。
だよねえ!!
「ランランランラン♪ ラララララーン♪」
「ご機嫌ね。ティティ」
馬で並走するブリアが瞳にいたずらな光を滲ませながら、こちらを見つめる。
「うん!」
おうよ! 理由は明確だ。これからティティがどうしても寄りたい店、見たい場所がある村に向かっているのだから。
「ねえね、楽しいの?」
ブリアの前にちょこりと座ったノアが首を傾げる。
「そうだよ! これから行く村では美味しいものや楽しい場所があるんだよ。ノアも楽しみにしておいで!」
「うん!」
うむ。いいお返事である。。
これから行く村はヨハネ村という。
ここの村長は村おこしの為、色々企画して、村の特色を出しているのだという。
前世に通った時にはなかったから、村長が交代したのがきっかけかもしれない。
「ああ、楽しみ!」
ティティがノリノリになるにつれて、後ろにいる御仁が不機嫌になるのなんて気にしない。
だって、約束したんだもん。
<だからといって、神経を逆なですることもあるまいに>
ティティの前に乗るスヴァの呟きなんて気にしない♪
楽しんだもの勝ちなのだ!
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
続きを読みたいと少しでも思っていただけましたら、ブクマ、評価をよろしくお願い致します!