表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/474

第175話 使えるものはなんでも。ひひ。

 我慢、我慢。寄り道しないのはノアの為。

 そう言い聞かせて我慢できたのは1日だけだった。

 この面白くない旅は2日が限度だ!

 ノアが、私が危険? 3人もの()りすぐりの魔法士がいて、どの口が言うか!

 私は絶対に次のところで、美味しいものを食べるぞ!

 土産も買うぞ!

 それに備えて、ゴルデバの街で色々聞いて来たのだ。

 それを無駄にしてなるものか!

 子供は我儘を言ってもいいはずだ!

<お主、諦めてなかったのか>

 ティティの前でちょこりと馬の背に乗りながら、呆れたようにスヴァが呟いた。

<諦めるもんかよ! 一日一日目一杯楽しまねば、人生何がおこるかわかんねえんだからな!>

 その為には何でも利用してやる。ひひ。ティティとノアの境遇でさえもな!

「ルミエールさま! 再度のお願いがあります!」

 ぐりんと首を後ろに回し、ルミエールに訴える。

「また街巡りをしたいとのお願いですか」

 再度のでわかってしまったらしい。

 頭の回転が速いからな。この若様は。

「そうです!」

「だめです。訳は先日申し上げた通りです」

 取り付く島もない。

 だが、諦めないぞ。諦めたらそこで終わりだ!

「それでも異議を申し上げます! 確かに子供2人で出かけるのは危険かもしれませんが、3人も選りすぐりの魔法士がいるのです。どこに危険があると言うのでしょう?!」

 心配というなら、私たちについてくればよいのだ!

 保証しよう! きっと楽しいよ!

「しかり! 我々がいて、どこに危険がありましょうや!」

 ティティの言に真っ先に反応したのは、ヒースである。

 お調子者とはいえ、魔法士としての実力は十分である。

 それは自他ともに認める強さである。そして本人は過剰にそう思っている。

 加え、剣の腕もかなりなものらしい。

 ヒースもこの旅に不満を持っていたのだろう。わかるぞ! 同士よ!

「それに、この先何が起こるかわかりません。親に山に捨てられたり、親に食料がないから放置されて死にそうになったり。だから、私は楽しめる時は逃さず楽しみたいんです!」

 ぐっと手を握り締めながら、力説する。

「ねえね? どこか行くの? ノアも一緒?」

 ブリアの馬の背に揺られながら、こてっと首を傾げるノア。

 ブリアがティティが告げた理由に眉をよせ、ノアの可愛さにくらりと来たようだ。

 そんなブリアが控えめに口を開く。 

「ルミエール様、少しはいいではないですか? 急ぎの旅ではないですし」

 そうだそうだ。本来なら視察はまだ先に行う予定であったみたいだし、ティティたちと一緒な為、日程は余裕を持ってあるはずなのだ。

 うひひ。2人は陥落したぞ。よしよし。後、もう一息だっ!

 残りはルミエール、ただ1人!

「ダメです」

 バッサリである。ルミエールにはティティの説得もノアの可愛さも、全く効いていなかった。

 くう。手ごわい。

 ならば、最後の印籠を渡してやろう。くくく。

「ブルコワ様も旅を楽しんで欲しいと言っていました。そしてそれを手助けしてくれると伺いましたけど?」

 それに片眉をあげて、ルミエールは目を瞑ると大きなため息をついた。

「仕方がないですね」

 よっしゃあああああ! 旅路の飲み食い、観光をゲットだ!

 ひゃほう!!

ティティが悪い顔してます(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ