表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
156/474

第155話 紹介するよ

「おい! どこへ行ってた!」

 ところ変わってティティがいるのはドリムル武器屋。

 その扉を開けて入った途端、デルコがどかどかと近づいてがしっと肩を掴んだ。

 この反応は仕方ないかもしれない。

 すぐに顔を出すような事を言っておきながら、植物スライムの件があって、ずっと顔を出せなかったのだ。

 今日は、ヒースやブリアはお仕事で登城し、ティティは体力も回復し、体調も戻ったので、こうして下町に弟を連れてやって来たのである。

 ノアの体調も、ティティが倒れること2回、それの回復に費やした日時で回復して来ていたので、、こうして連れてくることもできた。不幸中の幸いである。

 ノアも大分回復したし、カレドニア家屋敷からのお暇するむねをヒースに申し出たのであるが、この街を出るまでは、屋敷に滞在をと願われてしまった。

 ティティが倒れるほどに2人に協力したことを気にしているらしい。絶対譲らないぞと気持ちがヒースとブリアの顔全面に出ていたので、お言葉に甘えて、ヒースの屋敷に滞在続行中なティティとノア、そしてスヴァである。

 今日も下町まで行くと言ったら、家の馬車を使ってくれとヒースに言われたが、お断りして、歩いて来たところである。貴族の馬車で来たら、目だって仕方がない。

 それにノアのリハビリも兼ねている。

 ノアはあんなに消耗していたのに、この一週間ほどでかなり回復を見せている。

 子供ってこんなに回復が早いものなのか?と疑問に思うほどだ。

 スヴァに聞いてみたが、わからないと答えながら、何かを考え込んでいた。

 気がついたことがあるなら教えてくれと言ったのだが、まだ話す段階ではないと断られた。

 ちぇっ。

「おい! なにとか言わんか!」

「ああ、ごめんデルおじ。私ももっと早くここに顔出そうと思ってたんだけど、色々立て込んじゃってさ、本当ごめん」

「ふん。お前も冒険者だからな。色々あるか」

 デルコは少し機嫌を収めてくれたようだ。

 よかったよかった。

「今日は、紹介したい子がいるんだよ」

「あ?」

 怖いよっ。デルおじ。ノアが余計怖がるからっ。

 デルコの強面の顔と大声に、ティティの後ろにひゅっと隠れてしまったノアを引っ張り出して、デルコの前に差し出す。

「紹介する。この子、私の弟のノア、よろしくね」

「弟?」

「ぴ!」

 じろりとデルコに見下ろされたノアは、ティティにしがみつく。

「もう、睨まないでよ。ただでさえ怖い顔なんだからさ」

「睨んでないわい。地顔じゃ!」

「ノア、このおじさんの顔、ごっつくって怖いけど、とっても優しい人だから、大丈夫だよ」

「おまえ、言いたい放題だな」

「えへへ、でも優しいのも本当でしょ?」

「ふん」

 もう、照れ屋な親父だ。

「顔出せなかったのは、この子のせいか?」

「それもあるかな。そのほかは詳しくは言えないんだけど」

 それで何かを察してくれたらしい。

「そうか。まあ、元気でやっとたんなら、いいわい」

「ありがと、デルおじ! 一段落できて、真っ先にデルおじのところに来たんだよ! 冒険者ギルドにもまだ顔出してないんだから!」

「ふ。どうせ、鉄製の水筒ができてるか気になって早く来たんだろうが」

「バレた?」

 だって、出来上がり早く見たいじゃないか。


久々デルコ登場。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ