表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/474

第154話 弟よ、すまんな

「びええええ!!ねえねぇぇぇ!!」

 倒れてから2回目の目覚めの促しは、弟の泣き声だった。

 倒れた後に目覚めた時には、泣き疲れて起きなかった弟。

 どうやらティティがご飯をたらふく食べた後にソファで寝てしまい、誰かがベッドで寝ている弟の横に運んでくれたらしい。

 そしてしばらくして弟が目覚めたがまだ姉が目が覚めない。不安になってまた泣き出したらしい(←今ここ)

 ティティは慌てて起き上がると、弟を抱きしめた。

「あー、よしよし。私は大丈夫だよー」

 いきなり起き上がっても、めまいはしない。だるさはまだあるが、先程とは段違いによくなっている。あ、また腹は減ってる。

 あんなに食べたのに、もう消化してしまったらしい。

 まったく燃費の悪い。身体である。

「ねえね?」

 ノアが不安そうに自分を見上げる。大きな目から涙がぽろりと零れ落ちた。

「ごめんね。不安にさせたね」

 寝巻のそでで、そっと涙を拭いてやる。

 ノアは唇を震わせると、ぎゅっとしがみついて来た。

「ねえねー‥」

「うんうん、大丈夫、ねえねはいなくなったりしないから、大丈夫だよ」

 それでも信じられないのか、しばらくノアはずっとティティにしがみついたままだった。

 ごめん、弟よ。

 しばらくしてようやっと落ち着いた後、再びソファに席を移して、ティティはご飯を食べまくった。

 その横には、ノアがべったり。

 姉の食べっぷりにひくかと思ったが、にこにこしている。

 どうやら、逆に安心したらしい。

 スヴァもいつの間にか足元に座っていた。

<スヴァ、済まなかったな。助かった>

<全くだ。あまり世話をかけないで欲しいものだ>

<善処するといいたいところだけど、もう1回世話をかけるぞ。ブリアさんの聖力全注入をするかんな>

<まだやるのか>

<おうよ!>

<懲りないやつだな。お人好しめ>

<ひひひ。悪いな>

<もういい。聖力、体力を戻せ>

<あいよ。なあ、スヴァ>

<なんだ?>

<私も大概だが、お前もお人好しだと思うぞ>

 スヴァから足に猫パンチをくらった。

 おい、それはご褒美だぞ。

「にひひ」

 ティティはケーキにかぶりつくと、嬉しそうに笑った。

 私は仲間に恵まれてる。


 ティティが倒れてから3日後、聖力、体力が万全になったところで、ブリアが休みをとり、聖力全注入作戦を決行。

 場所は同じ、カレドニアの屋敷の庭。ヒースも休みを取ってもしもの時に備える中で、それは行われた。

 結果、ヒースに引き続きブリアもティティの聖力の中に聖素のかけらを感じる事に成功。

 それと引き換えに、やはりティティはぶっ倒れた。

 けれど、2回目だからか、目覚めは早く、ご飯をもりもり食べて、3日後に回復した。

 結構ハードな作戦だったけど、無事に2人が聖素のヒントを掴むことができるようになったから、よかったんじゃね?と思うティティであった。

 ご飯も沢山食えたし、満足である。うん。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

面白かったよと少しでも思っていただけましたら、☆をぽちりぽちりとお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ