第147話 食いつきがすごっ
短めです。
聖力以外の情報かあ。
まだスヴァと相談してないからなあ。
うーん。そうだ!
「あの、聖力の事を隠す為に、代わりと言ってはなんですが、私の過去のちょっとした体験をお話します。それで何とか誤魔化せませんかね?」
つっても大した情報はないけどな。
ティティには大した経験はないから、話はジオル時代のことになるけどな。
「できれば、話す人は領主さまやぎりぎり側近の方々までにして欲しいですね。それで何とか、聖力の件は伏せて欲しいんです」
「小さなレディ、そのちょっとした体験ってどんな体験だい?」
「私が国守さまとどうやって出会ったかとか?」
「「!」」
2人の目がカッと開いた。
こっこわっ!なんだよ! どうしたんだよっ!
「それをきいても大丈夫なのかい?!」
ヒースが身を乗り出して尋ねてくる。
「ええ、まあ」
大した話じゃないと思う。たまたま国守さまが私に目をとめただけだし。
ティティは国守さまに会ってないから、辻褄が合うようにちょこっと変えさせてもらうが、それは許してもらおう。
「私も村から出たばかりだから、話せることは少ないんですけど」
後、何かあったか。
ティティは腕を組んで考える。
それ以外で話せる、軽めな話ってあるかあ?
あ、そうだ。
「後は、こんな情報どうです? ゴールデンシープやシルバーシープの性格や好物とか?」
「「!」」
2人の瞳孔まで開いた。
超こわっ! どうしたんだ!2人はさっきから!
「そ、そんな感じの小ネタを教えれば、大丈夫ですか?」
「ティティ!!!」
ブリアにがっと肩を掴まれた。
「それは小ネタではないわよ! 大ネタよ!」
「ああ!! なんということだ! 小さなレディは光り輝く情報の宝庫だよ!! できれば、ずっとこの地にいてほしいね!」
ブリアも大きく頷く。
そんなブリアの手をそっと外しつつ、呟く。
「でもそうしたら、今度会った時に教えられる不思議体験はなくなってしまいますよ? きっと冒険者として旅をしたほうが、色々な体験をできますし、きっと国守さまも私の目を通しての情報も大切にされるでしょうから」
「おお! そうなのか!」
ヒースが立ち上がって、頭を抱える。
いや、わからんけどね。こうでも言わなきゃ、ヒースもブリアも領主と一緒になってティティを引き留める側に回ってしまうかもしれない。それは困るからね。
「ああ、それならば、小さなレディを引き留めることはできないね。なんということだ!」
ブリアも苦悩の表情を浮かべる。
「あのー、2人とも話を戻しますよー」
帰って来てください。そろそろお腹もすいてきたので。
お願いしますよー。