第13話 可愛いにゃんこお姉さんも好きデス
短いデス。
「こんにちは!」
気分を切り替え、にっこりスマイル。笑顔はただだ。目一杯振りまく。
「はい、こんにちは! 何か御用ですか?」
茶色の髪。オレンジ色の瞳がキラキラしている。小柄な体、頭には大きな三角の耳。
「はい。冒険者ギルドに登録をお願いしたいのですが」
「わかりました! その前に確認ですが、お年は?」
「7歳です」
ティティは栄養失調の為、かなり小さい。確認したくなる気持ちはわかる。
「よかったです! 登録できるのは7歳からですから。それでは早速、登録しちゃいましょう! こちらにお名前をお願いします! あ、字は書けますか?」
「はい」
ティティは書けないだろうが、ジオルは問題なく書ける。ノープロブレムである。
「では、こちらに記入をお願いします」
ティティの身長ではカウンターが届かないため、ボードに書類を挟み、手渡してくれた。
親切である。
さて、記入をと思ったところで、背後で一陣の風が通り抜けた。
「イリオーネさん、はりきってますねー」
受付の女性がティティに視線を向けた。
「さっきイリオーネとやり取りしてましたね。きっと素敵なものを持ってきてくれたんですね!」
そこで受付のにゃんこな女性はにこりと笑った。
「ようこそ! 我が冒険者ギルドへ! 私はマージといいます! これからもよしなに!」
「私はティティルナです。ティティと呼んでください! こちらこそよろしくです!」
そこでまた風が駆け抜けた。
見ると、イリオーネの手には依頼ボードに張ってあったであろう依頼書が何枚か握られていた。
「あらあら? 何枚か依頼が片付くのかな? ティティは何か知ってるかな?」
「あー、えっと」
話しても大丈夫かな? 親切そうだし、それに可愛いし。
「ごめんなさい。詮索はなしね。さ、記入を続けてくださいな。でないと、イリオーネがしびれをきらしてしまうかもしれないから」
ふふ、笑ってマージがウインクした。
可愛いな、おい。
もっと話してたいが、これからやる事、てんこもりである。
まずはやることやらにゃあかん。
「わかりました!」
ティティは未練を振り切って視線をボードに落とした。