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第131話 魔法陣展開!

 植物スライム退治を、もっと近くで見たい!!

 できれば、湖岸ぎりぎりまで近づいて見たい!!

 と言ったのだが、危険だからと却下された。誠に残念である。

 ティティが見守る中、それは始まる。

 7人の魔法士がテフラ湖の周りに等間隔に立っている。

 そのうちの1人は領主の別嬪息子であるルミエールである。

 そのルミエールが、懐から取り出した紙に指を添えて、何かを呟く。

 すると、それは湖に上空真ん中あたりに飛んでいくとそこでぴたりと止まった。

 次に、違う魔法士が何かを呟くとその紙が光り、巨大な魔法陣が出現した。

「わあ!」

 湖の周りに配置されている魔法士全員が何やら呟くと、それに合わせて、魔法陣は光り出した。

 それは徐々に眩しいくらいの光を放ち、湖をその支配下に置く。

 7人の魔法士たちは杖をかざして、ずっと何かを唱え続ける。

 その間、ティティは白く強い光を発する魔法陣に目が釘付けである。

 それがどのくらい続いたか。

 前触れもなく、別嬪ルミエールがが叫んだ。

「転送!」

 その刹那、ひと際魔法陣が輝きを増し、湖に光が降り注いだ。

 それ同時に激しい水音が響く。

 と、湖面に浮かぶ大きな魔法陣の上に、巨大なぶよぶよした物体が出現した。

 肥大化した植物スライムである。

「ほわああああ!」

 でけえ!そしてグロっ!

「やった! 成功したぞ!」

 見守っていた騎士たちから歓声の声が上がる。

 ブルコワは立ち上がり、即座に指示する。

「喜ぶのはまだ早い! 速やかに植物スライムの身体を切り刻み、予め決めて置いた場所へと運べ! 時間との勝負ぞ!」

「「「「「はっ!」」」」」

 その声に、騎士たちは顔を引き締めて、動き出した。

 それにしても空中に浮かぶ巨大植物スライム。少しシュールである。

 植物スライムはゆっくりと湖岸に下ろされ、即座に騎士たちが群がる。

 もう、魔法陣は消えてしまった。残念。

「綺麗な魔法陣だったなあ」

 最初この作戦をきいた時、植物スライムを湖から丸ごと持ち上げるのは無理なんじゃねって思ったけど、本当に出来てしまった。まさか、魔法で一気に引き上げてしまうとは。流石だ、魔法士。

 私の予想としては、きっと人海戦術で、騎士たちが湖に潜って、植物スライムを切り取っていくのだと思っていたのだ。 

 魔法って素晴らしい。これでは手放せないはずだ。

 もしかしたら、この巨大植物スライムを持ち上げる為に、魔法陣を改良とかしたかもしれない。

 短時間で、お疲れ様である。

「本当、すごかったなあ!」

 自分にはできない芸当である。

 それにしても魔法陣、すごい気になる。使われた魔法陣は元々あったものなのか、はたまた新しく作ったものか。聞いたところで、教えてはもらえないだろう。王都に連絡とったって聞いたけど、この魔法陣と関係あるのか? 主な道具としてはこれ以外にないのだから。

 そりゃそうか。こんな魔法陣をほいほい使われたら、大変だもんな。

<私にも使えないかなあ。無理か、こんなすごい魔法陣>

 隣にいる領主に聞こえたらまずいから、心話で呟く。

 それに対し、スヴァは平然と答えた。

<そうか? それほどのものでもない。お主でも使えるだろう。すぐではないがな>

 ティティはかっと目を見開く。

<これだから、元魔王は! これほどの魔法なんて滅多に見れないんだぞ! 見ろ! 複数の魔法士の力を合わせてやったんだからな!>

<うむ。そうか。そうかもしれぬな。今の我ではできぬからな>

<できても、やるなよ!>

<やらぬ。魔素の処理の器になる気はない>

<そうだぞ! 今世は楽しく、俺と暮らすんだからな!>

<わかっている。お主、言葉遣いが乱れておるぞ>

<お前が、興奮させる事言うからだ!>

<我が? 我は何も言っておらんぞ。事実を言ったまでだ>

 まったくマイペースな元魔王様である。

 こちらがびっくりすることを平気で言うのだから。

 でも、本当に使えたら、かっこいいよなあ。

ファンタジーっぽくかけてますでしょうか(泣)?

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