第100話 むう このままスムーズにはいかないか
「ふう。なんとか要望は通ってよかったよ」
ギルド長の部屋での5人での話し合いの後、ギルド長とヒースとブリアはすぐにお城に向けて出発した。
ティティはひとまず解放された。ただ、街から出ないようにとの釘を刺されて。
ギルド長フットワークが軽い。
それだけにあらず、イリオーネに、ゴルデバ五大湖の底を調べるよう指示をだしてからである。
ティティの話の裏付けをとる為であろう。
それを待たずに、城に報告に行ったのは、ティティの話をある程度信用しての事だろうが。
しかし、いいのだろうか。植物スライムの対処方法など聞かないで。聞かれたら、そこまでは答えてもいいかなと思っていたのに。まあいい。今日話しただけでも金貨5枚は確実だろう。
ギルド長との話し合いで、気疲れしたティティは、夕食を買うと、一旦宿へと帰った。
そしてお茶を飲みつつ、一息入れる。スヴァにもお茶を出しつつ、尋ねる。
「なあ、このまま、報酬だけもらえると思うか?」
「難しいだろうな」
「あ、やっぱり」
うええ。やだな。なんかやな予感がすんだよな。
領主さま、話の分かる人だといいなあ。
「いきなり犯人扱いしないよな?」
「それも覚悟しておくことだ」
「ちょっ! なんで、そんなに冷静なんだよ!」
「そうなる場合も覚悟のうえで、話した筈だろうが」
「そうだけど」
「原因を知っていて、放っておくのは、気持ち悪いんだろう?」
「そうなんだよなあ」
「お人好しのつけだ。諦めておけ。もしもの時には我が出る」
「おい! だめだぞ! 絶対魔法を使うなよ!」
「危害を加えられるようなら、仕方あるまい」
「だめだ! 約束しろ!」
「できないな」
「スヴァ!」
「だが、ぎりぎりまで使わないと約束する」
そこが妥協点か。
「本当に頼むぞ! 俺とお前は面白おかしく過ごすんだからな」
「わかっている」
「でも、まあ、ギルド長もヒースたちもいるし、きっと悪いようにはならないよな」
そう思っておこう。
でないと、精神衛生が不安定になる。
「お城に行かなくちゃいけなくなった時に、やっぱ武装はしておきたいよな」
「お主、やる気か?」
「いや、本当の武器じゃなくて、侮られないような武器を買おうかと思ってな」
ティティはお茶を一気に飲み込むと立ち上がった。
「もう一回冒険者ギルドに戻るぞ」
第100話!
ここまでこれました!ありがとうございます!
これからもがんばります。