表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

5

半透明の地図を頼りにどんどん進んで道に出る。


(おかあさん!道だよ!)


「うん、歩きやすくなったねぇ。」


そう言って振り返ると、そこは林でもなく森でもなく山だった……しかも富士山みたいな。


「やだ……樹海みたい……花ちゃん、出れて良かったね!ずっと出れなかったら困っちゃってたよ!」


(うん!出れて良かった!)


「さて、問題はどっちに行ったら人がいるかな?」


花ちゃんに話しかけると花ちゃんは耳をピクピクさせてトタトタと体毎あっち向いたりこっち向いたりしている。


(おかあさん!こっちから何か来るよ!)


「そうなの?お母さんの地図にはまだ出て来ないなぁ。じゃあ、少しだけ待ってようか。」


(うん!待ってよう!)


道の端に寄って木の下に行く。端に転がってる丸太を見て、この丸太をカットしてくり抜いたりすれば花ちゃんのお皿が出来るのになぁ……


(おかあさん、どうしたの?)


「ん?うん、あのね……そこに転がってる丸太を輪切りにカットしてね。」


丸太を輪切りになれば良いなぁと思いながら指さしたらシパパパパッ!と輪切りになりました。


「え?何で切れたの?」


(おかあさん!魔法だよ!)


「魔法?これ魔法なの?」


(たぶん、そうだよ!花も魔法が使えるよ!大っきくなったり小っちゃくなったり!できますように!って思うとできるの!)


「そうなのね。そう言えばお母さん、丸太が輪切りになれば良いと思ったわ。」


(おかあさん、スゴい!)


ピョンピョン跳ねながら言う花ちゃんはとっても可愛くて思わず笑ってしまう。せっかく輪切りにしたんだからお皿にしたい。考えながら触るか何かすればお皿になるかな?輪切りを拾いに行くと花ちゃんも一緒に来る。


(ねえ!おかあさん、何するの?)


「うん、お皿作れるかな?と思って。」


拾い上げて心の中で『お皿になぁれ!』と唱えながら丸太の輪切りを撫でてみるとシュルシュルと削れていく。イメージしてたお皿が出来て驚いたけれど、魔法だからアリなの?あんまりにも早く出来たけど、どうしよう?と思ったら文章が出て来た。そう、収納しますか?のやつです。勿論、収納します。を選択すると手からシュッ!と消えてしまいました。次々とお皿を作って収納していくと、地図にピコピコとさっきとは違う印が出て来ました。まだ、ずっと遠そうなので可能な限りお皿を作っていこうと思います。大きなお皿から小さなお皿まで作ってしまう。

少し小さいお皿の外側にお花の形の目印が欲しいなぁと思って触ったら、小さな桜の花の焼き印みたいなのが付きました。


「花ちゃん!これ、花ちゃんのお皿だよ!」


(わぁい!おかあさん、ありがとう!)


「向こうから何か来るね、お母さんの地図にも出て来たよ。ヘンな感じはしない?」


(しないよ!)


花ちゃんのお皿を収納して、パフンパフンと尻尾を振って返事をする花ちゃんの頭を撫でて地図で示された印の方向を見つめる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ