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「花ちゃん、とりあえずどっか行こうか。でも、どこに行ったら良いかな?地図とか無いし、困ったね。」


立ち上がって膝に付いたゴミとか土とかを払う。

ん?目の前に半透明な地図が映ってる。


「これ、地図?何か、半透明だけど……えーと、どうすれば良いのかな?」


(おかあさん、どうかしたの?)


「うーん?何かね、地図が見えるんだけどどうやって見るのが正しいのかなぁ?って。」


花ちゃんに向いたら地図の位置も少しズレました。カーナビみたいなやつかな?後ろに向いてみる……変わった!これ便利かも!


「花ちゃん、分かった!うん、地図を頼りに移動しよっか。」


(うん!行こう!)


道なき道をいつもの散歩みたいに歩いて行く。気を付けて歩いていけば良いだけなので気楽なもので、花ちゃんと並んで歩く。

地図は出っぱなしだけど、半透明なので慣れてしまえば気にならない。それよりもピコピコと動いてる二つの印が私と花ちゃんの印だ。


「ん?ねぇ、花ちゃん……前の方に何か居るみたい。どうしようか?」


地図にピコピコが増えた、二つ。色違いのピコピコは私と花ちゃんに近付いてくるみたい。誰か来たのかな?うーん?


(あのね、おかあさん。何かね、ヘンなかんじなの。イヤなかんじ。道向こうのオジサンみたいなかんじ。吠えて良い?)


「えー!道向こうのおじさんかぁ!それは嫌だねぇ。あの人花ちゃんに怒鳴ったりしてお母さんも嫌だったんだよねぇ。」


犬嫌いで有名だった人だけど、何にもしてない犬にさえ文句を言ったりして困った人だったのよね。良くない噂もあったし、ご近所さんも困ってたのよね。


「あれ?地図に何か文章が出て来たわ。……えーと……何々?ゴブリン?……一匹見たら百匹は居ると言われるモンスター。え!ゴキブリみたいなモンスターってこと?見つけ次第退治する事!だって!花ちゃん、近付いて来る嫌なやつは退治しないとダメみたい!もう見えるよ!」


(ホント!おかあさん!じゃあ、退治する!)


「うん、退治しよう!でもゴブリン?ってどんなのだろう?ゴキブリみたいなのだと嫌だなぁ。」


(まかせて!花、ギュッ!てふみつぶすよ!)


ピタリと立ち止まって前をジッと見る。きったない腐った緑色の小さな人間っぽいのが見えた。アレがゴブリン?ゴキブリと違って飛ばないみたい、それだけは良かったけどキイキイ喚いて走って来た!どうしよう?どうやって退治しよう?石とかぶつける?でも石なんて無い……


(花、踏んづけるから!)


花ちゃんが一瞬で大きくなって本当に踏んづけた。でも一匹が花ちゃんの足を上手く避けてこっちに来た!石を持って無かったけど、手だけは何かを投げる動きになってしまった……意味ないのに……


ドゴォッ!


え?……マジマジとゴブリン?を見たら、私の頭位大きな石が当たって地面に倒れていた。


「石……出てきたの?ラッキー?」


(おかあさん!スゴいね!倒したよ!)


ゴブリン?を見てたらキラキラと輝いて消えた。消えて何かお金?コイン?と何かナイフかな?刃物が落ちていた。花ちゃんの足の下にもあるのかしら?拾って見てみる。地図の上に新しい文章が出て来た。


「んー……と、討伐おめでとう!報酬とアイテムが出ました。これはあなたの物です、収納しますか?持って歩きますか?え……収納します……かな?あ!文章が変わった!……何々?収納しました。ふーん……まぁ、手荷物とかあんまり好きじゃないから助かっちゃうな!」


花ちゃんを見上げて、あっという間に大きくなっちゃったわ。と思ったら花ちゃんはすぐにいつもの大きさに戻った。花ちゃんの足元だった所にはコインと何か草の束が落ちていたので拾い上げる。また文章が出て来て、どうやら草の束は薬草と書いてあった。収納を選び、花ちゃんの頭を撫でる。


(すごかったね!)


「うん、でもこの先にも出てくるかも……でもゴキブリと一緒だから倒していこうね。」


(うん!)


私と花ちゃんの新しい人生の旅が始まって、初めての討伐とやらをした。この世界は不思議な世界。でも、ゴブリンとゴキブリって名前似てて嫌ぁね。

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