7話 / テスト①
足が重い。
朝起きてからやけに足が重く感じる。
何故かと思って理由を探そうとしたが、やめた。理由なんて一つしか無い。
「テストォ……」
今日から3日間、中間テストだ。
勉強するのすっかり忘れてたから、どんな結果になるのかは分かってる。
「おう!零!どーした、そんなにゲッソリして?ちょっと前までずっと授業中寝てた奴がまさか寝不足かー?w」
「ゲン……。テスト当日となってもお前は相変わらずだな…」
「そりゃどうも。ところでマジで寝不足?大丈夫か?」
「あぁ、そうだよ。3日前の日曜までテストあるのすっかり忘れてた…。おかげでそれから課題終わらせんのに毎日徹夜よ……」
「は!?3日前まで忘れてたの!?お前忘れっぽいにも程があんだろ!w」
「うっ……。言い返せん……」
3日前まで忘れてたのは別にユウが呪いをかけたからとかじゃない。俺がただ忘れてたからだ。
「まぁ、テスト中寝ないように頑張れよーw」
「うっせ、テストだぞ。流石に寝ねーよ」
そう言って、二人で教室に入った。
……さて、どうやって点稼ごう………。
今回の中間テストの最初の教科は数学だ。
数学はまぁまぁ得意な方だけど、今回はどうだろうか。授業は一応聞いていたし(若干寝てたけど)、徹夜で勉強したから少しは出来ると思うけど……。
そう考えてると、テスト監督の先生が教室に入ってきた。
しばらくすると、用紙が配られてテストが始まった。始めの合図と共に皆が一斉に用紙をめくって問題を解き始める。
俺も早速問題に取り掛かった。
30分位した頃、俺は用紙の半分位を解き終わっていた。今のところは、全部解けてる。
(これはいけるな……!)
居眠り気味だったけど授業聞いてた甲斐があったな。これは、数学に関しては赤点回避か……。
ふとゲンの様子を見てみた。
(ゲンはどうなってるか……)
すると……
(はぁ!?)
あれだけ人に寝るなよと言っていた本人が、
(寝てる……!)
机に突っ伏して寝てる。何やってんだあいつ……。
問題がどれくらい解けているかは分からないが、人に寝るなよと言っておいて自分が寝るとは。
笑いそうになったが、おやと、おかしな事に気付いた。
ゲンは普段なら、テスト中に寝たりはしない。
ゲンなら、時間ギリギリまで問題を解いている事が多い。
何故今回に限って寝てしまったのだろう。ゲンも徹夜したのだろうか。そんな疑問を残したまま、残りの問題を解いて数学のテストは終わった。
俺は一つ、心当たりがあった。
まさかとは思うが、一応確かめてみよう。
俺はチャイムがなったあと、教室から真っ先にトイレへと向かった。
幸い、トイレには誰もいない。
俺は、心当たりを確かめる為に、いるかもしれない奴に声をかけた。
「ユウ、いるか?いるなら出てこーい」
すると、誰もいないと思われた俺のすぐそばに、すぅーっとユウが出てきた。
「あははー、バレちゃいましたー?」
「うわ!ビックリした…。やっぱりか。なんでついてきたんだよ。今まで家にいたろ」
「いやー、一応僕憑依霊なのにずっと家にいるのもどうかなーと思って。あと面白そうだったので」
「そうか。で、ゲンを眠らせたのはお前だな?」
「やっぱりそこもバレましたか。勿論僕ですとも!おかげでライバル一人減ったでしょう?」
「ライバルって…。あのな、関係ない奴に勝手に呪いかけるのやめろよ?今回は俺がお前を見つけたから良かったけど……」
「えー、駄目でしたー?」
「駄目。あいつも、自分の成績があるんだから」
「はーい」
素直に分かってくれて良かった。で、ユウをどうするか……。
「とりあえず、今日俺テストだし、家帰っててくれるか?あと2教科やったら放課だし」
ここでユウに色々とやられるのもなんか怖いし、ここは帰ってもらおう。
「嫌です」
…………。
「……え?」
「嫌、です☆」
「……え??」
どうも、拓溟です。
今回はユウ君が学校についてきてしまったという話でしたが、久しぶりに出しましたねーゲン君!1話から一度も出してなかったので出せて良かったです。
2日程前にSwitchで、私が大好きなゲームのシリーズ最新作が発売されました。欲しいんですけどまずSwitchを持っていないので、Switchを買うところからかー、と今必死こいてるところです。絶対買うぞ……!!
次回、テストの話2話目です。
ではまた次回!!