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憑依霊がうちの居候  作者: 拓溟
5/11

5話 / 霊能

幽霊が一人増えた。

突然俺の部屋に現れたその幽霊は、「マスター」と名乗っている。

ユウとマスターと、俺。

人間俺一人かー……!!

「どうされました?急に落胆したように下を向いて……」

いつの間にかがっくしと下を向いていた俺に、マスターが心配した様に声をかける。

「あ、いや大丈夫です……。急に来たこの状況と現実に驚きを隠せないだけです……」

「?」

不思議そうな顔をしているマスターに、俺は疑問に思っていたことを質問した。

「そんな事より、ユウはマスターからその漫画借りたって言ってたけど、なんで同じ幽霊のマスターが漫画なんて持ってたんです か?」

「あぁ、それは買ったんですよ」

「買った?」

意外な返答だったから、思わず聞き返した。

幽霊が漫画を買った?

聞いたことないぞ、そんな話。

「買ったって、幽霊なのにどうやって……?」

「この世に存在する幽霊のほとんどは、実体のある人間のように、実体化することができるのですよ」

「人間に……!!」

「はい。まぁ、短時間ですがね。それとお金はどうしているかと言いますと、霊界の通過を、人間界の通過に変換する会社がありまして、そこで手に入れております」

「そんな事まで出来るのか……。スゲーな幽霊……!」

俺は素直に関心してしまった。

でも、霊界の通過を人間界の通過に、ってどうやってるんだ??

「はっはっは、面白いでしょう?幽霊の生き方も。ところで今、どうやって霊界の通過を人間界の通過にするのか、と考えていましたね?」

「え!?あ、はい……」

何で分かったんだ?

「それは、その会社に、そういう能力を持ったものがいるからです」

「能力……!あ……!」

俺は、ユウと話したことを思い出した。



その日、学校から帰って来た俺は、自分の体の異変を話した。幽霊ならなにか分かるんじゃないかって、何となくそう思ったからだ。

「なぁユウ、今日妙に体が重かったんだが、なんか分かるかな?」

「あ、気付きました?」

「え、なんか知ってんの!?」

本当に知ってた!!と思って驚いた。

「ボクが呪いをかけました☆」

「ゑ??」

まさかの返答に、俺は固まった。

いやサラッと「呪いかけた」とか言われて固まらない方がおかしいだろう。

俺は固まったまま、ユウの言葉を返していた。

「呪いをかけた!?」

「はい。約一日、体がだるくて重くなる呪いを☆」

「バカヤロウ!!なんつーいい感じに地味で嫌な呪いかけてんだ!!てかなに!?呪いかけられんの!?」

「幽霊は大体呪い使えますよ。ボクはその種類が多いだけです」

ん?種類??

「どういう事だ?」

「えっと、幽霊にはそれぞれ『霊能』と呼ばれる能力が備わっていてですね。その『霊能』は、個体によって違うんです」

「能力……!」

そういうのあるのか……!

「ちなみにボクの能力は、他の幽霊よりも使える呪いの幅、種類がとても多いいんです」

「へぇー、凄い能力だな………って!だからってなんで俺を呪った!?」

「なんとなく」

「っはーー?!」



思い出したら腹が立ってきた……。

なんとなくで人を呪うなよまったく……。

「……で、そういう能力っていうのは…」

「はい。そのまんま、霊界の通貨を、人間界の通貨に変換させる能力だそうです。その逆も、また可能だそうで」

「へぇー、いろんな能力があるんだな」

「面白いでしょう?貴方もこちら側に来れば、『霊能』が使えるようになるかもしれませんよ?」

「誘わないで下さい……。俺まだ生きてたいですよ」

「はっはっは、そうですね。命があるのは良いことです」

実に愉快そうだ。なんかマスターと話してると和むな。流石マスター。

「そういえば、マスターの『霊能』は?」

「えぇ、私の『霊能』は、人の心、思っている事を読む力です」

へぇー、これまた便利そうな。あ、さっき俺の考えてた事を当てたのって、マスターの『霊能』だったのか。

と、ここで漫画の続きを読んでいたらしいユウが話に入ってきた。

「そういえばマスター、お店の方は大丈夫なんですか?」

そっか、マスターは喫茶店のマスターなんだっけ。

「ああ!忘れていました!店を開けて来たんでした」

「いや、忘れないで下さいよ!そんな大事な事!!」

以外とドジ(?)なんだな、マスター。

「それでは、私はこれで。是非、店にも遊びに来てくださいね」

そう言ってマスターは部屋を出ていった。

「いい人だったなぁ、マスター」

「でしょう?とってもいい人です!」

ユウを助けた人だもんな。

「あ、それより見てくださいよレイ君!今週のワンp……」

「ストップ!やめろ!!伏せ字は前回だけで勘弁してくれぇ!!」

そんな感じで、俺はまた幽霊の事を知ったのだった。

どうも、拓溟です。

一ヶ月……。一ヶ月ですよ……。一ヶ月も開けてしまいましたよ……。なんだかすいません、間が空いてしまって。まぁ一応不定期なんで、気長に待っていただけたら幸いです。

さて今回はマスターによる霊界の仕組みの説明と『霊能』についてでしたね。マスターの『霊能』、私も欲しいです。

次回、ユウと零が暇つぶしをします。

ではまた次回!

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