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2ノ第16話: ホラ吹きリュージ。

 さっきはえらい目にあった。

 エルフの里ではジョークは封印したほうが良さそうである。

 覚えておこう。





「それじゃ私は長老に会ってくるわ、アンリエットは里でも案内してあげて」


 ロリエット姫は長老の元へ行き、俺たちはアンリエットさんの案内で里を見学させて貰う事となった。

 エルフの里はどんなところなのだろう?

 これからエルフの里の暮らしぶりなどが見れるというのは楽しみである。


 まず最初に案内されたのはエルフ族の住居である。

 エルフ族の家は石造りのものもあれば、巨木をくり抜き中を住居としているのも見受けられる。

 特に自然を活かした木の上の建物は、とても興味惹かれる物件である。

 あんなところに住んでみたい、なんてちょっと思った。


「こちらが御神木の世界樹(せかいじゅ)です。神聖な場所なのでここから先は立ち入りご遠慮ください」


 次に連れてこられたのは世界樹であった。

 一際(ひときわ)大きい巨大な大木がそびえ立っている。

 樹齢何年とかそういう次元ではない大きさである。

 そんな周りをお堀のように泉が取り囲む。


 近くまで行ってみたかったが、これ以上先には行かないでくれと言われた。

 神聖な場所ならばしょうがない。

 ちゃんとマナーは守らないとな。



「あちらがダンジョンです!」

「なにっ!!」


 エルフの里にダンジョンがあるのか!

 無意識に声が出てしまった。


「でも……、最近キングアントが現れてしまい。奥の方は危険なんです」

「き、キングアント?」


「はい。キングアントはとても凶暴で手がつけられません。エルフ族が束になっても勝てるかどうか……。」

「そんなに強いのか……」


「ダンジョンは入ってもいいですが、オススメはできません。あなた方が強いのはわかっています。でも、キングアントにだけは気をつけて下さい!」

「ちょっと見るだけなら大丈夫だよね? 行ってみようか!」


「わたしはイヤよ!! もうダンジョンは懲り懲りよ」


 ミリアは真っ先に否定してきた。

 そう、俺たちはついこの前までダンジョンで暮らしていたのだ。

 ダンジョンでの暮らしと言っても、Dモールという巨大なショッピングセンターみたいようなところでの生活である。

 そこが嫌になって抜け出したのに、またダンジョンは無いよな。


 でも、ゲームみたいなダンジョンじゃなくてこれは本物だ!!

 ワクワクするぜ。


「キングが現れだしたということは……。クイーンアントが誕生している可能性があります。わたしは見たことありませんが、毒を持つ危険なアントのようです。まあ、見たくないし、会いたくもありませんね」


 キングにクイーンか!?


「大きくなったら僕がぶっ倒してやる!」


 エルフのガキが威勢よく言い放った。

 そしてアンリエットさんは……


「まあぁ、それは楽しみね」


 軽くあしらった。

 

 頑張れよ!

 未来の英雄。

 クソガキよ。


 シマッタ。中八になってしまった。

 俳句って難しい。



「さて、こちらが訓練場です。日々ここで鍛錬をおこなっています」


 森の中の開けた場所にエルフの訓練場が作られていた。

 主なエルフ族の武器は、弓系がメインであるようだ。

 弓道のようないっぱいの的が並んでいる。


「弓、やってみますか?」

「やりたい! やりたい!」


 ミリアは嬉しそうに飛び上がり真っ先に弓を持った。

 そして俺を挑発してくる。


「リュージ! 勝負ね!」

「お前から先に勝負挑まれるとは思わなかったぜ、受けて立つぜ!」


 こうして俺とミリアの弓勝負が始まった。


 その前に、一つ気になる疑問がある!

 それは弓の威力である。

 長距離戦での有利な点は理解できるが、殺傷能力は低いと思われる。

 よっぽど魔力弾の方が威力的にも実用的であろう。


「いくわよ!」


 ミリアは弓を引き、的へ向ける。

 放たれた矢は閃光とともに舞い、的へ刺さる!


 まるでその矢は、光をまとい意志を持つかのようであった。


「すごいですね。最初は的に当てるのも難しいのに、いきなり魔力使った人は初めてみました。ミリアさんは素質がありそうですね」


 なんてことだ……。

 弓でも魔力を使えるのか!?


「次はリュージの番ね」


 落ち着け、落ち着け、動揺するんじゃない。


 弓道とかはテレビでよくみている。

 そして何度も何度もみて研究済みなのである。

 問題は重力でどのくらい矢が落ちていくかだ。

 そこは弓を引いた時の感性で感じるのだ。


 まてよ! そう! そうである。

 重力を考えて若干上に向けようと考えていたが、そんな必要はないかも!

 全身強化で思いっきり引けば重力など蹴散らして直進するじゃないか!

 これなら勝てる!


 そんなミリアを見てみると……。

 

 『ドヤ顔!』

 

「何だよ! その顔は。それで勝ったと思うなよ!」

「リュージ、動揺してるの?」


 あぁ~トラウマだ。

 あのドヤ顔を見せられると何故か冷静ではいられなくなる。


 集中!集中! まずは全身強化!

 そして真っ直ぐ弓を的に向けて放つだけなんだ。

 簡単なことだ!


 今ミリアは勝ったと思っている。

 そんなミリアをギャフンと言わせてやる!


「当てないと、まけちゃうわよ~」

「うるさい! その余裕を、悲鳴(・・)に変えてやるからな!」


「やれるもんなら、やってみなさいよ!」


 ――俺の矢よ――「舞え――!」


 見事に舞った。

 ヒラヒラとスカートが!?


 俺の魔力が開放され、爆風を生み出したのだ。


「「「キャー」」」


 しまった。また(・・)やってしまった……。

 ところで! 俺の矢はどこへ行った?

 

 必死にスカートを抑える女子らに気を取られ見失ってしまった。

 俺の矢はどこだ?


「キセキだ! ど真ん中(・・・)だぜ!」


 俺の矢は、的の真ん中を射抜いていたのだ!


「ある意味、奇跡だわね……。――隣の(・・)的だけどw」

「「「キャハハハ」」」


 女子らは俺を小馬鹿にするような態度で大笑いであったが、子供エルフのケントだけは俺を見る目が違っていた。


「嘘つきリュージ師匠! これがジョークってヤツですね!」


 キラキラしていた。


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