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2ノ第8話: ロイドとロリエット

「姫様ご無事ですか?」


 アントを倒した俺達は横転した馬車へと向かい姫様を助け出す。

 下側のドアは地面で塞がっているため、外に出るには上側のドアを開けるしか無い。


「ドアが固くて開かないわ」


 衝撃でドアが歪んでいるのだろう。

 こじ開けるしか無い。


「俺に任せてくれ! いや、このわたくし(・・・・)におまかせ下さい」


 助けていいところ見せようなんて、決して下心とかでは無い。


「リュージ、お姫様に失礼とかはやめてよね!」


 失礼ってなんだよ!

 俺が何かやらかすとでも思っているのか?


「姫様。扉をこじ開けます! 離れてください」


 そしてこれを開けると可愛い姫様が現れて……。

 

 まてよ!

 御者(ぎょしゃ)がエルフだったということは、もしかするとエルフの姫様なのか!?

 エルフのお姫様とお近づきになれちゃうかも!?

 

 まてよ!

 俺は危ないところを助けたんだ「勇者様、ステキ」なんて……。

 一目惚(ひとめぼ)れなんかされたりしちゃって? 恋の予感!

 

 まてよ!

 ……なにか重大なことを忘れていないか?



 俺は馬車によじ登りドアをこじ開ける!


「お姫様お手をどうぞ、任せて下さい。このわたくし(・・・・)が引き上げてみせます」


 扉をこじ開けた俺は中を確認して手を差し伸べる。

 長く尖った耳をもつ美少女は怯えながらもこちらを見あげてきた。


あッ()


 見たことある顔だ……。

 研究所のときのエルフ美女であった……。

 

 エルフ美女は軽く微笑みながらこちらに手を伸ばしてくる。


「お願いします」


 俺はホッとした……。

 顔を見られたのは一瞬だったから、気づいていないようだ。


「足元にお気をつけてください」

「はい、馬車の上ですもんね。落ちたら死んじゃいますもんね」


 それは大げさだと思いますが……。


「姫様その御方が――」


 そう! アントから襲われているところを救った。勇者です!


「ええ、分かっていますわ、襲ってきた盗賊ですね! エルフ族は盗賊に屈しません!」

「――えっ~??」


 『バチッーン』


 俺は見事なビンタを喰らいバックサイドダブルコークテンエイティー(1080)を決めた!

 通訳すると、後方2回転3回ひねりだ。


 マリアちゃんは見ていてくれただろうか?

 今回のはだいぶ得点出たと思うんですよね。


 だが着地は失敗だから高得点は狙えないのが残念です。



「姫様違います。その御方達が助けてくれたのですよ!」

「あら! 勘違いしてごめんなさい。殺してしまったわ」


 いや、死んでないです!


「大丈夫だよ、無事だよ、俺こういうの慣れてるんだ」

『チッ』


 今舌打ちしたよね? マジで殺そうとしたのか?

 

 そう言えば思い出した……「次に遭うようなことがあれば殺すわ」と、この様に言っていた。

 俺に気づいて、殺しにかかっているに違いない。


「――きぃゃ~あ、――間違って――足元踏み外して――落ちたわ~。トゥー」


 わざとらしいぜ。俺にはわかる。

 それはプロレスで言う、トップロープ(馬車の上)からのジャンプ攻撃だろ?


 不意をつくなら「これから攻撃しますよ」などと教えないよな!

 攻撃するから受け止めてみろということだろ?


 それに避ける選択肢が無いことも瞬時に判断したぜ。

 もし避けたら「落ちる姫様を見捨てた酷いヤツ」として俺は皆に軽蔑される。


 回避不能の見事な戦術だ。俺は感服したぜ。


 このピンチを乗り切るには!

 1.皆には、落ちる姫を助けたように思わせる事。

 2.姫様には、俺を殺ったように思わせる事。

 この2点をクリアしなくてはならない!

 

 まてよ!

 こんなとき、ラッキースケベも起きやすいから、それも注意しないとな。


 フフッ。完璧だ!


 俺は全身強化で身構える。

 全身強化した俺は周りが止まって見えるかのように反応速度が上がっているのだ。

 姫様の動きは手に取るようにわかる。


 まずはどんな攻撃を仕掛けてくるのだ? 手か? 足か?

 わかったぞ!

 足と見せかけてのエルボー攻撃だな!

 しかも、しっかりとミゾオチを狙っているではないか。


 お望み通りミゾオチを決めさせてあげよう。

 そして俺は地面にサンドイッチされて致命傷を受けたと見せかける。

 

 更に衝撃でバランスを崩さないように姫を支えてあげよう。

 だが、間違って胸とか揉んでラッキースケベしないように注意しないとな。


 落ちる姫様を助けつつ、姫様の攻撃をもろに喰らう。

 完璧に俺はこなしたのである。


 更にやられた感を出すために声も入れてみた。


「グフォッ!」


 しかし、まだ続きがあったようだ……。

 倒れ込んだ姫の顔がスローモーションで俺に近づいてくる。


 ――このままではキスしてしまう!


 これも狙いなのか? ラッキースケベなのか?

 どちらにせよこのままキスしたらやばい。

 

 俺は慌てて姫様の耳を掴み、キスを阻止した!

 尖った耳はちょうどつかみやすかったのだ。


 危ないところであった……。

 恐ろしいコンボ攻撃である。


「いや~ん!」


 突然色っぽい声を出して恥ずかしがる姫。


「キサマ! 姫様になんてことを……」

「俺は何も……」


 御者のエルフは怒っている。


「どうしましょう、私の初めてを奪われました」


 俺が何をしたというのだ?


「イキナリ姫様に求婚するとは……責任取るか、ここで死ぬか選ぶが良い」


 エルフの耳を触る行為は求婚の行為であることを後でしった……。


 俺の冒険は終わった!

 

 ――そう思ったその時である。



「ロリエット! ロリエットじゃないのか?」


 御者(ぎょしゃ)であるロイドのおじいちゃんが驚いた顔で姫に近づいてゆく。どうやら知り合いだったようです。


「えっ! なぜ私の名前を……。まさか、あなたは勇者ロイド」

「そうじゃ、また逢えるとは思わなかった。このようにもうだいぶ歳をとってしまったがのう。40年ぶりじゃのう」


 40年とな……。

 ちょっと待てよ、このお姫様一体何歳なんだよ!!

 そういえば、エルフ族は歳を取らないってきいたことがある。

 若いままの美貌をそのまま維持できるという……。


「あのとき、あなたをパーティーから追放してしまってごめんなさい! あのときはそうするしか無かったの。これもあなたの為だったの!」

「わかっていたよ。ロリエット」


 愛し合う恋人同士のように、二人は熱い抱擁を交わす。


 急展開にちょっとついて行けませんが、愛し合う二人は昔の冒険仲間で、なんやかんやで離れ離れになってしまい、40年の時を超え再開し、結ばれた?

 ということでオーケーですか?


 熱い抱擁を終えると、決意を固めた顔でロリエット姫はこちらへ向かってくる。

 

「名も知らぬ変態さん、私には将来を誓った人が居るの、だからあなたの求婚は受け入れられません」


 なんかひどい言われようだが、俺は振られたのね……。

 何はともあれ、俺の危機は回避されたようです……。


 そしてロリエット姫はロイドおじいちゃんの方へ走っていった。


「ロイド! あなたはどうしてロイドなの」

「ロリエット! 逢いたかったよ」


 なんかよくわからんが、まとめてみると。


 見た目はロリ風だが60過ぎのババアなエルフ美女に俺は一目惚れしてしまい求婚を求めるも5秒で恋敵に奪われてしまいそしてフラれた。


 これで、合ってる?


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