設定集02: 第一章までの魔力について
第一章の魔力についてまとめてみました。
この異世界には魔力が存在していた……。
当然だろ!
と言われてしまうが、実際に目にするまでは半信半疑であった。
第一章を終えて魔力について分かってきたことを報告しておきたい。
◇
異世界の住人は魔力を持っている。
そして人に限らず武器や防具にも魔力は宿るようだ。
そんな魔力の源はどこから来ているのか?
それは、大気中に存在している魔力を人や物を媒体としバッテリーの如く蓄積している。
特に魔石には高純度の魔力が凝縮されており、それを使った装備は高い性能を発揮する。
しかしそういった性能も術者の能力によって大きく左右する。
性能以上に発揮できる者も居ればその逆も然り。
特にリュージは相性が悪く殆ど性能を発揮できないようである。
原因としては魔力コントロールが苦手ということが一番の要因である。
さらに魔力についてわかったことは、電気特性に似ている事がわかった。
電流と電圧の様な関係性を持ち、電圧が合わないと機械が動かないように、魔力武器や魔力防具もうまく扱えないのだ。
リュージの持つ規格外の大魔力はコントロールが難しく苦労している。
この世界で魔力が強いイコール強さとは限らない。
本人の魔力がいくら強くとも、無限にある大気中の魔力をいかに収集し扱えるほうが大事であるからだ。
その代表的なのが魔力弾である。
【魔力弾】
魔力弾とは、エネルギーの弾を鉄砲のように飛ばして攻撃する魔法である。
そんな魔力弾の生成方法はと言うと、大気中の魔力を手元に集めてエネルギーの塊を作るのが一般的である。
この魔力弾の最大の利点は、大気中の魔力を使っていることから、術者の魔力消費量が少ないという点である。
その割には効果的なダメージを与えられるという有効な魔法である。
一方リュージの方はというと。
魔力を集める段階でコントロールを失い暴発してしまう。
そんなリュージがとった方法は、大気中から集めることを諦め己の魔力をそのまま放出する方法である。
詳しく説明すると、それを可能にしたのが封印石の手錠である。
常人ならばこの封印石の手錠をつけると魔力は封じられてしまうのだが、リュージが持つ高圧力の魔力をかけることで、ドピュ、ドピュっと魔力を発射することができる。
おっと、下品な表現で失礼した。
しかし、これで高密度の魔力を前に飛ばすことが可能になったのだ。
リュージの持つ魔力量ならではの方法ではあるが、魔力消費量が多すぎるという点では決していい方法とは言えない。
最後に定番の魔法詠唱のような呪文はあるのかという点だが。
今の所そういった呪文は見受けられない。
魔力弾の生成中に呪文を唱えているものも居るようだが、それはあくまでルーティーンであり、コントロールが難しい魔力弾生成の集中力を上げるのが目的なのであろう。
というわけで、無駄な作業だと言われるかもしれないが、厨二病的なかっこいい技名を適当に言ってから魔力弾を放つなんて言うことも可能かもしれない。
【打撃系必殺技】
これはエネルギーの塊を相手に直接ぶつける技である。
仕組みとしては魔力弾に似ているが、飛ばすかぶつけるかで大きな違いがでてくる。
魔力弾の場合は飛ばすためのコントロールが重要になるのに対し、打撃系必殺技はその必要がない。
逆に、打撃系必殺技は自ら命中させることから自分へのダメージも避けられないのに対し、魔力弾はその心配がない。
このことから術者の向き不向きが顕著に現れる。
では打撃系必殺技の具体的なやり方はと言うと。
基本的にはエネルギーの塊を作る作業までは魔力弾とほぼ同じである。
違ってくる部分はエネルギーの反発から己を守るための魔力防御を使うことである。
よって魔力弾に比べて大量に魔力を消費してしまうのが大きな違いである。
しかし飛ばすに対してぶつけるのは加速度も加わり威力は倍に膨れ上がる為、まさに必殺技としては有効な攻撃である。
【魔力防御】
魔力防御は魔力を使って魔力障壁を作りそれを盾にする。
基本的に自分を魔力で囲うだけの作業で技的には簡単であるが、体内魔力を使うか大気中の魔力を使うかで術者の力量が別れてくる。
なおかつ両方使いこなし強固な魔法障壁を作ることも可能ではある。
基本的には簡単な技であるが、極めると部分的に強化することで魔力消費を抑えたり、魔力を集約することで威力を上げたり、奥の深い技となっていく。
特に打撃系必殺技は腕への負担が大きいためにこの魔力の荷重移動が非常に重要となるだろう。
【ヒーリング(治癒系魔法)】
次に治癒系の魔法の件だが。
現在この異世界ではHPが一発で全快したり、死者が蘇るようなチート魔法は確認されていない。
術者はあくまで患者の自己治癒能力を高めることだけが精一杯のようである。
原理はよくわからないが、術者の魔力で患者の魔力を操作し細胞を活性化させるらしい。
そんな方法で患者の回復能力を数十倍に引き上げて回復させているようだ。
自然治癒では回復できないような怪我を負ったとしても、ヒーリングであれば治る可能性は高い。
さてヒーリングをする上でいちばん重要なポイントとは何か?
それは魔力コントロールである!
術者の魔力コントロールどころか、患者の魔力をコントロールしなければならないことから、とても難易度の高い魔法となる。
よってヒーリングが出来るような者は、とても希少である。
おまけ【魔力マッサージ】
魔力マッサージとはヒーリング同様に回復系の魔法であるが、疲れが取れるぐらいの微量なものである。
イメージ的には低周波治療にマッサージをプラスした感じである。
ヒーリングのような患者の魔力をコントロールするようなものではなく、術者が微弱な魔力を患者に通すことで回復を促す仕組みである。
魔力を極めて短い時間で放ち、それを繰り返していく。
脈拍のようなパルス信号が望ましい。
手加減の知らない者が行えば、破壊的な魔力攻撃になるであろう!
微妙な刺激が出せるかどうか、術者の腕が問われるところである。
リュージ曰く、ダンジョン受付娘の魔力マッサージは気がつけば寝ているぐらいとても気持ちいいらしく、彼はラリホマッサージと影で命名したらしい。
次回は第二章スタートにします。




