第42話: 4人パーティー新たなる旅立ち。
最終回です。 あ、第一章のね……。
「リュージさ~ん!」
どこからともなく俺を呼ぶ声。
声の方を見てみると、なんとマリアちゃんがこちらへ向かってくるではないか!
「どうしてここへ?」
「探しましたよ~!」
「どうやったらここを見つけられるのだ……!?」
「ヒ・ミ・ツです!」
計り知れぬマリアちゃんのポテンシャルならば、そんなことも簡単にこなしてしまうのだろう。マリアちゃんならば不思議じゃない。
「リュージさん。約束覚えていますか?」
何のことだ?こういう質問は間違えるとキケンが待っている……。
前の記憶をたどる限りは……。
わからん!
「からかわないでくれよ。俺が忘れるわけ無いじゃないか!」
「よかった。 じゃっじゃ~ん!」
そう言って手に取り見せてきたのは冒険者カードであった!
「もう冒険者カード手に入れたのか!」
「はい! リュージさんと早く冒険がしたくて!」
心の底からしびれるようなこのセリフ。
さらにニコニコしながら可愛い笑顔で俺の腕にしがみついてくる。
あぁ~!
レアドロップ貰う前に、レアな報酬貰った気分です!
この従順な感じがとてもたまらないのである。
ミリアと二人で始まったこの冒険。
気がつけばあっという間に四人パーティーとなり、ワイワイ楽しい冒険がきっと待ち構えている……そんな気がした。
◇
「で? 報酬はどうなった?」
<<もうしばらく、お待ちください……>>
どこからともなく聞こえるこのアナウンス。
明らかにこっちの声を認識しているかのようだ。
過去の遺物ってのはすごいAIを搭載している?
「リュージ! 頼むわよ~」
「ミリア! 当たってもケーキは自粛だからな!」
「ケチ! そんな事言うならハズレちゃえ!」
フラグ立てるなよ!
<<おまたせしました!>>
<<リュージさん、クエストクリアおめでとうございます。>>
<<それでは、報酬を抽選します。ドゥルルルルルル~、ダン!>>
キタコレー。
このふざけた感じが頭くるね!
しょぼいアイテムなんかだしたら、破壊してやるからな!
「レアドロップ、カモーン!!」
俺の手元に何かが現れ変化していく。
『スカッ!』
すると手のひらで、煙がはじけるかのように、空っぽに消えた。
「なにぃーーーーーーーーーーーーーー!」
「キャハハハ!」
ミリアは腹を抱えて笑っている。
これでミリアはケーキたらふく食えなくなるというのに……。
悲しむどころか嬉しそうに笑っているではないか。
笑いのほうが上回ったというのか!?
きっとハズレを引いたミリアは『リュージもハズレろ!』と願ったに違いない!
「はぁ~」
俺の人生はいつもこんなもんだ……。
わかっていたんだ、今までだってそうだよ……。
しばらくの間、俺はショックでうなだれている。
すると、突然アナウンスの続きが流れ出した。
<<戸籍の変更が完了しました。>>
<<メアリーはリュージの妹になりました。これからは『家族』です。>>
「なんだって!?」 ん? どういうこと?
「えっ? 家族――家族――家族になっても、いいのかにゃ?」
身寄りのないメアリーは家族を欲しがっていた。
それは、なんとなく分かっていた。
ダンジョンのアジトでの夕食会をひらくと、メアリーはとてもいつも楽しみにしていた。
複数でテーブルを囲む事がとても楽しそうに見えたのだ。
「お、俺に妹ができた? ……まあ、俺は全然構わないが」
「いいのかにゃ~。いいのかにゃ~。願いが叶ったにゃ~」
そう言ってメアリーは号泣した。
ハズレと思われた報酬だが、実は当たりを引いていたのかもしれない……。
伝説は本当に存在し、メアリーの願いが叶ったのである。
「メアリーこれからよろしくな!」
「はいニャ! 変態お兄様!」
戸籍が変わっても、変態の姓は引き継がれるんですね……。
◇
「リュージさんズルいです! 私も妹になります!!」
必死に訴えてくるのはマリアちゃんであった。
「そんなこと言ってもな……」
俺的には願ったり叶ったりであるが世の中そういうわけには行かないだろう。
「お姉さまリュージさんと結婚してください!」
「ちょっとマリア!」
「そうしたら私はリュージさんの妹ですよね!!」
「もう冗談はやめて……」
・・・もうカオスです。
どうしてこうなってしまったのでしょう……。
「もう何でもアリだ。とりあえず冒険行こうぜ!」
「はい!」「はいニャ!」「やれやれだわ!」
俺たちは新たな冒険へと歩きだした。
◇
「なあミリア、もしかして願いが叶う伝説って、助っ人のほうなのか!?」
「え? まさか――」
まてよ、そうなると……俺の願いは既に叶っていたりするのか??
確かにこうして俺は冒険をしている……。
ミリアの行動で、俺の願いが叶い。
俺の行動で、メアリーの願いが叶った。
まさか……。
そして俺は前世の師匠の言葉を思い出す。
その言葉は……
(良い行いをすると、良い縁が巡り巡って自分に返って来ると言う。)
ミリアは父のために頑張ろうとし、俺はミリアのために頑張ろうとした。
そして、巡り巡って……
『(次はミリアの番だね)』
「――いま何か言った?」
「さあーね。それじゃ冒険を続けようか! 『行くぞ、新入り、俺に続け!』」
◇
「ねえ~、リュージ!」
「ん?」
「もしかして、あなたもう……願い叶ってたりしない?」
「何のことかな?」
「――ねえ、ちょっとー、あなたの願いってなんなのー?」
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《ラブコメより冒険がしたい!》
第一章 Fin.
第一章これにて終了です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
出会い編はこの辺にしまして。
次章は4人の冒険編としてがっつりファンタジーしたいと思います。
しっかりまとめたいので、しばらくお休みしたいですが、出来れば8月上旬に開始したいです……できるかな?
それではまたよろしくおねがいします。




