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第32話: ビックアントを倒したい。

「よし! 第2ステージに挑戦するぞ!」

「ワクワクするわねー!」


 第1ステージをクリアした俺とミリアは、第2ステージに挑もうとしている。

 

「リュージ様、今日はライフゲージが満タンですね。むしろ溢れています」

「ああ、よく寝れたからな」


 アジトのベットはフカフカでとても気持ちよかった。

 俺は全回復しているようで体も軽く感じるぐらい絶好調である。


 受付娘のメディカルチェックを受け、俺たちはボックス内に入った。


「第2ステージに挑戦ですね。行ってらっしゃい」


<<ようこそ。ステージを選択してください>>


「もちろん、第2ステージさ!」


 新しい狩場に行くときはワクワクドキドキです。


 第2ステージを選択し、俺とミリアは狩場のダンジョンへと転送された。


 視界がひらけると第1ステージ同様に高速道路のトンネルぐらい広いダンジョンに転送されていた。

 第2ステージのダンジョンの作りは第1ステージとほぼ同じようだが、無数の横穴が開いているという点が違っていた。

 きっとその穴からモンスターが出現するのであろう。


「ここはビックアントの巣よ」

「ビックアント?」


「巨大な蟻のことよ」

「なるほど」


「巨大と言っても、大きいので全長2メートルも無いわ」

「十分デカイですが……」


 それ以上デカかったらボス級です!


 すると横穴からビックアントが沸いて出てきた。


「話には聞いていたけど、手強そうね」

「この大きさじゃね」


 いつになくミリアは慎重である。

 ――と思ったのは間違いであった。


「いっくわよ~、突撃~~~!」


 ですよね~。


 ミリアはレイピアを振りかざし真っ先に向かっていった。

 こうなることは分かっていたので俺は別に焦ってはいない。

 俺はミリアを追いかけていざとなったら助けに入れるようにと待機した。


 そしてビックアントの分析を始める。


 ビックアントはその大きさから動きはそんなに早くない。

 しかし問題は攻撃力である。

 その巨体から繰り出される口のハサミがどれほどの威力なのかが問題である。

 

 ミリアの間合いにビックアントが近づくと真っ先にレイピアを突き出した。

 ミリアのレイピアはビックアントを捉えるも致命傷は与えられない。

 さすがにこの大きさともなれば、耐久力も多いのだろう。

 

 攻撃されたビックアントは反撃に移ろうとするが、ミリアはすぐさま回避行動に移りビックアントとの距離を取る。

 そんなビックアントは強引に攻撃しようとするもミリアを捉えられない。

 スピードの差は明らかでそこが致命的な弱点であろう。


 さらにビックアントが攻撃で空振りすると、隙きありとみてミリアはすかさず攻撃に移るという見事な戦いぶりをみせている。

 

 足の遅いビックアントはミリアを捉えることが出来ず、徐々に体力を削られてゆくのであった。


 おっと、また見惚(みと)れてしまった。



「俺もやるぞ!」



 しかし俺にはミリアのような戦い方は出来ない。

 俺には俺に合った戦い方をするまでだ!


 俺に合った戦い方とは全身強化での超接近戦である。

 ダメージは全身強化で受けつつ、強化された拳をぶつける。


 肉を切らせて骨を断つ作戦であったが、実際に戦ってみるとさほど防御の必要がないことに気がつく。


 俺のパンチはビックアントをノックバック(のけぞり)させるほどの威力があり、絶え間なく攻撃を続けることでノックバック(のけぞり)したビックアントはなかなか攻撃に移れないでいる。


 『攻撃は最大の防御なり!』


 そう言えば前世にこんな言葉があった。

 苦闘ゲーの達人に教わった言葉である。


「オラオラオラオラー」


 ビックアントの反撃の隙きを与えない絶え間ない攻撃である。

 そしてビックアントは倒れた!


「見たかー! ミリアー!」

「そんな暇無いわよ!」


 やっとミリアより優位に立ったと思い、俺はいい気になっていた。


「ふっふ~ん、ずいぶん苦戦しているようだね。ミリアくん!」

「うるさいわね! これ倒したらお仕置きだからね!」


「ごめんなさい、俺が悪かったです」


 ミリアは負けず嫌いである。そんなミリアへの挑発は危険です。

 怒らすとどんなお仕置きが待っているのか、危険がドキドキワクワクです。

 

 ――あれ?意味不明だ……俺は何を言っているんだ?


「あぶない!」


 俺が焦らせてしまったのか、ミリアは大きく体勢を崩している。

 足のステップが運べないほどに大きく体を傾いてしまい倒れそうだ。

 

 そんな隙きを見逃さんとビックアントは伸び切った足を狙う!


 なんとミリアはその状態から華麗に側転し、挟み込まれそうだった足を抜き取るエアリアルな曲芸を見せた。

 

 何という戦闘センスであろう!

 まぐれの回避とかではない!

 すぐさま自分のものとしたミリアは、エアリアル(側宙)しながら回避と攻撃を同時に繰り出せるようになっている。

 そしてビックアントは倒れた!


「負けないからね!」


 俺はミリアに火を付けてしまったようです。

 ミリアは真っ先に次のビックアントへ向かって飛び込んでいき戦い始める。


 俺の戦いぶりを見てミリアは焦っているのだろう。

 超接近戦で戦える第2ステージは俺にとって向いている。

 ミリアのヒット・アンド・アウェイではどうしても殲滅に時間がかかってしまうのだから、どうやっても俺の優位には変わらないであろう。


 その時であった!


 焦ってしまったのか、ミリアのエアリアル(側宙)がビックアントの方へ飛んでしまったのである。

 危険を感じた俺は、助けようと慌ててミリアへ向かって走る。


 すると新体操の平均台でもやっているかのように――

 ビックアントの上にエアリアルしながら飛び乗ったのである。


 ミリアは飛び乗ると同時にビックアントの首の関節を狙った強烈な一撃を与える!

 急所の関節を狙われたビックアントはひとたまりもなく一撃で倒れた。

 

 また俺は見惚(みと)れてしまっていた。

 

 そんな俺に目が合うと――『ドヤ顔!』決めてきやがった。


 そこからは競争し合うかのように俺たちはビックアントを倒しまくっていた。


 第2ステージは楽しい。

 もしこれが|MMORPG《大規模多人数同時参加型オンラインRPG》であれば、ここで1日中篭ったであろう、そんな『俺の狩場』的な場所である。

 そんな前世でのゲーム生活を思い浮かべつつ長時間潜伏し、俺たちは沢山のビックアントを倒したのである。


「いっぱい狩りしたね!」

「そうねー!」


「そろそろ戻ろうか!」

「そうねー、さすがに疲れてきたわ」


『リターン』





<<お疲れさまでした。16,000ゼル獲得しました>>


「おぉーーーー!」


 驚いている俺の横からミリアは嬉しそうに『パシパシ』と叩いてくる。


「見てみてこの金額!」

「これは昨日の10倍だな!」


 ゼルは8,000ゼルずつ山分けとなり、冒険者カードに蓄積された。


「え~と、美味しいケーキが1個600ゼルで何個買えるのかしら!!」

「おいおい、せっかくの報酬を全部ケーキにする気じゃないだろうな!?」


「ちょっと計算してみたかったの! そんな大人買いしたりしないわよ! ……今日は――ねっ」


 絶対やる気だ。そのうち絶対やるわこれ……。


「それじゃ、今日は俺のおごりの番だな! 好きなだけ食べてくれ!」

「わーい! いっぱい食べるわね♪」


「おいおい! ケーキはダメだぞ!」

「――ショボーン~」


「……1個だけだからな! いいか! 1個だけだぞ!」

「――やったー♪」


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