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第25話: 一緒にいきたい。

「マリアちゃんやったぞ!」

「さすがです、リュージさん」


 俺は試験官を倒し、改めて試験に合格した。

 そしてミリアを連れて冒険の旅へ行くことで、ニコラスさんの望みも叶えることができる。

 

 マリアちゃんはお姉ちゃんの為に一生懸命俺の修行に付き合ってくれたり、今回は色々苦労しただろう。

 マリアちゃんには本当に感謝だ。


「ありがとう、マリアちゃんのおかげだ」

「リュージさんグルグル激しすぎます。目が回ります」


 俺はマリアちゃんを抱きしめ、グルグルとジャイアントスイングした。


「ちょっと待て! 認めんぞ。俺は認めん!」


 試験官は納得の行かない様子で立ち上がってきた。

 そこに入ってきたのは冒険者ギルドに居たヒートさんである。

 試験官の肩に手を置きこう言い聞かせた。


「ロジィ、そのへんにしておけ」

「だってこいつはインチキばかり」


「負けを認めろ、お前は防具に頼りすぎている。もっと体を鍛えろ!」

「は、はい……」


 試験官は素直に引き下がり無事ことは済んだ。

 あの試験官がこうも簡単に引き下がるとは、ヒートさんって何者なんだろう。

 

「リュージくん、コッソリ見せてもらったよ」

「気が付きませんでした」


「その若さで君は筋が良い。 ……今度は俺と試さないか」

 

 ――ピリッとした感覚がその時俺を襲っていた。


 俺の脊髄(せきずい)が反応し、自ら後ろに飛ぶように引いていたのだ。

 脳よりも言葉よりも先に脊髄(せきずい)が反応していたのである。

 なんでそんな行動を取ったんだろうと不思議に思ったが、もの凄いプレッシャーを感じたのは間違いない。


「よくわかったな。いい反応だ」

「な、何をしたんですか――?」


「どうだ、俺の騎士団に入らないか!?」

「俺は、その……」


「君は何がしたいんだ?」

「ぼ、冒険がしたいです!」


「初めてあったときからブレていないな! 俺とでっかい冒険しないか!?」

「いえ、まだいいです。今、自分の実力を思い知らされました」


「ハハハハ。冒険はいい! もし考えが変わったらいつでも言ってくれ」

「はい! 修行して少しでも追いつけるように努力します」


「いいねー! そうなったらわかってるよね? リュージくん!」

「えっ。まさか、決闘ですか? さすがにそれは勘弁してください……」


「ハッハッハッハァ。それじゃ少年よー。青春してこいー。またな!」


 そう言ったヒートさんは、軽やかに去っていった……。


 この人はほんとうに苦手である……。

 しかしあのプレッシャーはなんだったんだろう。

 あれも魔法の一種なのだろうか?

 ともかく、どんなに背伸びしてもあの人には足元にも及ばないと、俺は肌で感じた。全身強化を覚えたぐらいでいい気になっていた俺が恥ずかしい。


「リュージ、わたし……。ありがとう……ね」


 戸惑いを見せながらも、申し訳なそうにお礼を言ってくるミリア。

 色々迷惑をかけてしまったとか思っているのか?


 まさか!

 

 俺、デートに行くぞとかいっちまった! 勘違いされたりしないよな?

 誤解を解かないと……

 

「大丈夫。何も気にしなくていいんだよ! 全部予定通りだからさ! ち、ちなみに、デートとか言ったのは演技だからね?」


 ――。 なんだ、この変な感じ……。


「わかってるわよ! アタナなんてこっちから願い下げです」


 ふぅ~! いつものミリアに戻ってきたような気がする。


「ミリア冒険の準備はできてる?」

「あぁ。ごめん。まだ終わってないの――今すぐ支度してくるわ!」


 そうか、俺はもう全て揃っているぜ。

 テントに松明(たいまつ)、それに色々。

 まあ、ダンジョンなんてリアルに体験したこと無いから何を持っていけばいいかわからないが、登山経験はあるからそのへんの装備品をバッチリ用意してあるぜ!


「あ、そうそう。冒険者カード発行は1時間後だって。それじゃ行ってくるわ」


 あ~、1時間もあるのか。1時間何してようかな……。

 勝利の余韻にでも浸っているか。


「――リュージさん大変です」


 今度はなんだろう?

 俺は戦いの疲れを癒やすためにやすらぎの時間に入ろうと思っていたのに、マリアちゃんの緊迫した声が入ってくる。


「手錠にヒビが……」


 決闘のとき俺はマリアちゃんに手錠を渡していたのだ。

 そのときには気が付かなかったが、手錠をよく見ると今すぐにでも粉々になりそうなぐらい無数のヒビが入っていた。


 まあ、なんかのトラブルとかじゃなくてよかったよ。俺はもう結構疲れているのにこれ以上変なことは起きてほしくないからね。


(りき)んでしまったからな。あの連打に耐えられなかったか」

「どうしましょう……これが無いと困りますよね?」


「そうだな。困るかもな。時間あるし今すぐ仕入れに行ってくるかな」

「わたしも一緒にいきたいです!」


 俺達は装備屋に向かった。





「ドルネコのおっちゃん! また手錠が欲しいんだ。あるだけ買うよ! 奥の箱から探してきていいかな?」


「そんなに使うんでやんすか! 若いっていいでやんすな」


「こんにちわ、ドルネコさん」

「あら、こんにちわ。可愛いお嬢ちゃん」


 マリアちゃんはドルネコさんに丁寧に挨拶をしている。

 清楚で可愛いマリアちゃんは礼儀もしっかりしていて、彼女にするなら理想的なタイプであろう。


 さて、手錠探さないと! 俺は必死に探した。


「これ見てください。手錠がこんなにボロボロになってしまったの」

「ど、どうやったらこんな事になるんでやんす!」


「激しすぎるんです。リュージさんのあれは1秒間に5連打の運動ですから」

「『はぁ、はぁ、はぁ、』」


「ドルネコさん? 大丈夫ですか? どこか具合でも?」

「大丈夫でやんす……お願いだから続けてくれでやんす」


 封印石の手錠をかき集めた俺は、マリアちゃんの元へと駆けつけた。


「マリアちゃん、少しだけ持つの手伝ってくれる?」

「はい、いいですよ」


「ドルネコさん全部これを買います! 全部でお幾らです? 今度はちゃんとお金払います!」


「それじゃ1個あたり100ゼルでいかがやんすか?」


「そんなに安くていいんですか?」

「もち! いいでやんすよ。……その代わりと言ってはなんでやんすが、また今度話しの続きでもしに来てくれやんす。――お、お嬢ちゃんも一緒に!」


「お安い御用だぜ!」


 俺の交渉スキルが勝手に発動したのか、すごい安くなったような気がする。

 全く自覚は無いがおそらく定番の《異世界に行ったら『チートスキル』ゲットしました》、ってやつなのかもしれない……。


「それじゃマリアちゃん! 学校戻って、もう一度やるか?」

「まだやるんですか?」


「うん、もうマリアちゃんと当分会えなくなっちゃうからさ。新しいことも試してみたいんだ!」

「わぁ~それは楽しみです!」


 ドルネコさん体の調子が悪いのかな?

 ずいぶん息が苦しそうなんだけど……。

 あれ? 顔色見る限りはものすごく元気そうだ。気のせいだな。


 俺たちは装備屋を後にした。





「マリアちゃん色々ありがとね」

「いえ、こちらこそ」


「冒険に行ったら、当分マリアちゃんとはお別れだね……」


 マリアちゃんと逢えてよかった。全身強化魔法を覚え魔力弾を覚え。俺は相当強くなった。

 全部マリアちゃんのおかげなんだ。


「リュージさんわたし決めました!」


 これは、告白!? いやだからそういう妄想はやめようよ、俺!


「リュージさんのお嫁さんになります!」

「――ぇ、なに! そりぇわ○X△□○X△□えっえっ、マリア ちゃん」


「ジョウダンです。――テヘッ!」

「もう~そういうのやめてくれよ~」


「わたしも冒険者カード取って一緒に冒険したいです。いつの日か……」

「そうか~、俺は大歓迎だよ」


「約束ですからねっ!!」


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