続・居酒屋の放談
やあ、あんさん、また会いましたなぁ。
おぼえていませんかぁ、この前いろいろと話しを聞いてもらいましたがなぁ。
いやぁ、あれからいろいろあって大変でしたわぁ。
なんせ、いまのお神輿さんが、そろそろ代替わりだと思いましたから、ちょっとばかし動いてみたんですわ。
そしたら、仕込みしたもんがしくじりましてな、思い通りの始末にならんかったんですわ。
おかげで、余計な歯止めが残りましてな。
また、延期となりましたがな。
うちんとこの統領さんが、そら怒りましてな。
いま火消しに躍起になっとりますわ。
あー、ねえちゃんこんひとの伝票にホッピーつけて、わしにもらえんかね。
それでな、そろそろ表舞台にある人を押し出そうおもうんだけど、今一つきっかけがなくてなぁ。
いかんせん、立ち回りだけが良くてなぁ、いまいち力がなくてなぁ。
そいつの親父さんのようになってはならんとのお達しでなぁ。
少しそぎ落としてから代替わりするはずだったんだけどなぁ。
もう少し仕込みがかかるってことになりそうですわ。
おー、きたきた。
うまいのー。
まあ、いまの神輿はどっちかというと商売敵でなぁ。
できれば、おとなしくしてもらいたいわけなんですわ。
そいでな、いま鈴が付いているわけなんだけど、あまり猫のほうが大きくなると効果がないわけなんよ。
なので、もう少し聞き分けがいいように小さくしたかったんだけど、あまりねぇ。
あのしくじりは痛かったなぁ。
おかげでなぁ。
そんなこといってみても仕方のないこっちゃがな。
とりあえず、商売敵には少しおとなしくしてもらって、少しこちらの伝手を増やしておかなならんと思うてな。
引き抜きができるタマを用意しなくてはならんちゅうことで、取り込み損ねた連中を使って花火上げようと思うてますのや。
ちょっとした見ものだと思うんでな、しばらくは新聞ば見ておくといいっちゃ。
あー、また電話や。
ほな、あんさん、またどこかでな。