才能の開花?
予約投稿になります
最近になってやっと予約投稿でストックしておくということを学びました
「イーリアさん、こうですか?」
「上手なのですよ」
イーリアさんの手ほどきを受け、何とか錬金水の調合には成功した
「錬金水はばっちりみたいなので、次は、これを作ってみましょうか」
イーリア先生が指さしたのはガラス結晶のレシピだ
「実はこれ、意外と難しいのですよ?」
材料は錬金水とそこら辺の砂利、そしてスライムの核だ
それらを錬金釜に入れ軽く混ぜ合わせると...
透明だった水がみるみる赤く染まり、気泡が発生する
「そろそろ伏せた方がいいのですよ?」
「えっ?」
その直後だった
ドガーンという爆発音とともに窯から黒煙が吹き上がる
あたり一面が煤まみれになってしまった
「ケホ、ケホ、イーリアさん?今のは一体...」
「失敗。なのですよ。ガラス結晶の錬金では錬金水と砂利を入れて反応した段階でスライムの核を入れるのです、一緒にまとめて入れちゃうと今みたいに爆発しちゃうのですよ」
なんだか、イーリアさんは嬉しそうだ
「なんで先に言ってくれないんですか?」
「何事も経験なのですよ、爆発させて初めてダメだったとわかることもあるのです、だからあえて失敗してもらったのですよ」
イーリアさんの言うことも一理ある気がするがなんだか納得できない
「では、今度はきおつけてもう一度作ってみてください」
同じ轍は踏まない、二度目は投入するタイミングに気を付け注意して錬金術を行った
そして出来上がったのは正八面体をした透明な結晶だった
「イーリアさん、どうですか?」
「うーん。奇麗にできているのですよ、初めてでこれだけできれば上出来なのですよ」
「本当ですか?」
「はい、私は嘘が嫌いなので、嘘はつかないのですよ。ふつうは色がくすんだり、形が整わなかったりすることが多いでの正直驚いているのですよ、もしかすると才能があるのかもしれませんね」
「才能ですか?」
「はい、詳しいことはまだわかりません、ただ、その可能性は大いにあるのですよ」
才能があるかもしれない、という言葉に内心喜び、また内心では恐怖感を感じている
「今日はこの辺にしましょう、またいつでも遊びに来てください、いつでも歓迎するのですよ。それと、武術全般は無理ですが、魔法関係や座学に関してなら少しはアドバイスできるかもしれないので、錬金術外のことでもいつでも相談してくださいね」
「ありがとうございます、それでは失礼します」
「才能があるかもしれない」
その言葉が俺の頭の中をぐるぐると駆け巡っていた
次回は週末投稿予定です