戦闘訓練
やっと通信制限から解放され、執筆再開となります
「今日はここで戦闘訓練を行う」
今日は、定期的に行われる実践訓練の日だ
そのため、いつもの学校内ではなく、近くの迷宮までやってきている
まぁ、実践とはいえども、相手にするのはグリフォンや、キメラなどの危険生物ではなくスライムや、ゴブリンといった比較的危険度が低い魔物だ
この実践訓練にはFクラスから特Aクラスと呼ばれるSクラスへ昇進確定の生徒までの全員が参加し、自分の持てる力を全力で発揮し、自身の力量を知る授業だ
そのため、魔法はもちろん、剣術、体術、武術など、自身の持てる戦闘スキルをフルに発揮できる
来月行われるクラス別の闘技大会へ向け良い調整の場となるため普段は顔を出さない生徒も数多く出席している
「事前に配布した地図を見てくれ。Fクラスの生徒は地図上の緑で示された区域で戦闘を行うこと、区域の境目には教官が待機しているので、万が一はないとは思うが、可能な限り境界線ぎりぎりでの戦闘は控えるように、また、本日戦闘で獲得した魔物の素材は自由に持ち帰って構わない、何か質問はあるか? 無いようだな...けがのないよう注意せよ、以上、解散!!」
皆、教官の一声で散り散りとなる
数人でパーティーを組むものや一人で行くもの、戦闘のスタイルは多種多様だ
「おっす、カイト久しぶりだな」
俺に声をかけてきたのはリック
魔法適正はぎりぎりのFクラスだが、手先が器用で魔刃という武器に魔法を付与して飛ばすというテクニックが使える、それに、剣の腕もかなり高い
「リック、相変わらずだな、今日も剣を使うのか?」
「当り前よ、魔法は剣で飛ばすものだからな」
「リックらしいな」
「それじゃ、先に行くぜ」
リックはそういうと小走りに去っていった
さて、俺も俺の目的を達成するとしよう
俺の目的はスライムだ
スライムはこの世界で最も弱い魔物だ
だからこそ貧弱な魔法しか扱えない俺でも倒せる
俺には魔法適正が低くてもほかの人にはない特殊な技能がある
それは、2属性の魔法を扱えるということだ
基本的には1属性の魔法だけしか扱えないのだが、ごくまれに生まれつき多数の魔法を扱える人間がいる
俺もその一人だ
まぁ、2属性とはいっても火と水、ごくごくありふれた属性の上に2属性合わせてもFクラス
こけおどし、肩透かしとはまさにこのことだ
火と水が両方扱えて便利な点は貴重なお湯を自前で調達可能なこと、攻撃魔法の典型である火と、補助系魔法の典型である水の組み合わせで質は悪くとも攻防一体の魔法が使える点くらいだ
最も、連発できるほど魔力の上限が高くなく、回復速度も人並みのため、基本的には剣術で戦う必要があるのだが...
そんなこんなで、いろんなことを考えつつ、実践訓練は終了
各々、手には素材を持っている
毛皮やきれいに輝く宝石のような石を持っているのはSクラスの生徒だろうか
杖やローブも高級そうだ
俺はスライムの核を30個、体液を瓶に20本、ゴブリンが落としていった錆が浮いた短剣が数本という成果だ
リックはそれなりの成果を上げたらしくご満悦な表情だった
帰ったらとりあえず錬禁水づくりをやってみよう
次回、初めての錬金術と錬金術の先生の登場です