進む道
今回で一応の導入部が終了となります
次回からいわゆる錬金術要素が登場します
Fクラス判定を受けて2年
相変わらず判定がFから上に上がることはない
さすがに俺もあきらめ、自分の才能の限界に納得した
この世界の半数程度は魔法適正0いわゆるNクラスだ
そんな中ではFクラスであっても羨望の目を向けられることも少なくなく、迷宮やダンジョン潜入で獲得した戦利品で生計を立てたり、用心棒として生計を立てることもできる
そういった面ではNクラスの人よりは仕事の幅は広いといえるだろう
そんな風に納得してしまったら、逆に気持ちが楽になった
だからこそ今でも俺はこの学校で魔法の勉強をしている
最初は数えきれないほどいたFクラスの教室も今では20数名
そのうち、毎日講義に顔を出すのは半分の10名程度だ
残りの半分は魔法学校を卒業できればいい。と考えている奴らだ
最低限この学校を卒業すれば、魔法師という称号が与えられる
魔法師は魔法を扱いものの中では最も低い称号だが、聖騎士や魔道騎士、魔導士などといった国から認められた称号であることに違いはない
あるとないとでは卒業後の道が大きく変わってくるのだ
俺がこの学校に通っているのは魔法適正向上のためでも、称号獲得のためでもない
新魔法獲得と、知識の収集のためだ
この学校には世界から集められた蔵書が無数にあり、学生である限りは読み放題なのだ
蔵書の中には魔法の書や歴史書、参考書、指南書など様々で一日中いても飽きない
その中でもより一層俺の目を引いたのは錬金術と書かれた薄汚れた分厚い本だ
かなり日に焼けており、ところどころ破けたり、文字が掠れたりしており、かなり昔の本のため文字自体も現在使われている文字ではないため文字すべてを読み取りこともできない
だが、必要なものであったり、材料であったり、材料の組み合わせでできるものやその効果など
断片的ではあるが、理解できるものがいくつかあった
例えば、水にスライムの何かを混ぜることで錬金水という錬金術の基礎となる液体ができ、その液体と薬草を混ぜることで薬草の効果を高めることができるらしい
最もそれ以外は意味不明な材料名で判別ができないのだが...
まぁ、いくら知識を蓄えレシピを知ったところで、魔法同様才能がなければ高度の錬金術を扱うことができない
現在、錬金術を扱えるものはそこそこいるが、才能を持っており高度の錬金術を扱えるもの自体はSSクラスの魔法使いの人数よりも少ないといわれている
まぁ、物は試しだ
来週末行われる戦闘実習でスライムを倒しその素材で錬金水を作ってみるとしよう
次回投稿は来週末の予定ですが、携帯の通信制限次第となります