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狐は異世界を巡る  作者: ノイズ
2/2

一話 異世界へ

どうも、ノイズです。

今回あんまり主人公の出番ありません。

「・・・ああ?あーとっここはどこだ?」


 そう言って柊円は目を覚ました。


「えーっと、確か光が強くなって・・・気を失ってたのか」


 そう言って、円は周りを見渡しだした。


「まだ完全に目は治ってないな。うーんと?」


 回復してきた円の目には、まだ倒れていたり起き上がったりするクラスメイト達と、目をまるくしてこちらを見ている中世の頃の兵士みたいな人や王族みたいな恰好をした人たちが見えてきた。


(んん?これは何の冗談だ。ていうか、ここどこだ?)


 そこは、明らかにさっきまでいた教室とは全然違う空間が広がっていた。


(まるでヨーロッパのお城の中だな)


 徐々にクラスメイト達は皆目を覚まし、呆然とするもの大騒ぎするものなど、三者三様の反応をしている。

 そして、突然誰かがしゃべりだした。


「あのー、ここってどこですか?」


 そう言って萩野信二はいかにも、お姫様という感じの女性に話しかけた。

 

 そして彼女は語った。


「え?!ああ!はい。えっと、ここはエミーザ大陸、王都オウル国です。私はこのオウル国の姫エミリヤ・オウルです。勇者様に世界を救っていただくため古より伝わる勇者召喚で、あなた方を異世界より召喚させていただきました」


 と。


「「「ええ!?」」」


(異世界、だと!?ていうかあれ外国人だよな、ていうか異世界人?なんで言葉が?)


 クラスメイト達は騒然としていた。

 皆疑ったり、歓喜したり、呆然としたりしている。さっき以上に騒がしい。


「みんなちょっと、静かにしていてくれ」


 信二が真剣な表情で皆に言う。


「どういうことか詳しく説明してくれませんか?」


「はい、もちろんです」


 そうして彼女の説明が始まった。



 彼女が言うには、今この国は魔王に攻められようとしており、それに立ち向かう手段を得るため勇者召喚を行ったという。

 ただ、勇者召喚は普通は一人しか召喚できないという伝承があり、たまに一人~五人ほど巻き込まれてくることあるそうなのだが、今回はイレギュラー中のイレギュラー、三十人という大人数を召喚してしまったという。

 そしてエミリヤは、


「そこで皆さんにステータスを確認していただき、称号に勇者とある方を探させていただこうと思います」


 曰くこの世界にはステータスというものがあり、そこには自分の情報が載っているのだそうだ。

 また、ステータスは基本的には自分で見るしかなく、相手が見る場合は自分で見せなければないらしい。

 ステータスには名前、種族や年齢そして自分の身体能力そして、スキルというものがあるのだそうだ。

 そして、その一番最後に称号というものがあり、勇者ならばそこに『勇者』と書かれて位はずだとエミリヤは言う。


(というか、種族ってどういうことだ?)


「ステータスを見るには心の中で『ステータス』と念じれば出るはずです。そしてこのようにすれば、他人に見せることも可能なのです」


 そう言ったエミリヤの前に、透明な板のようなものが浮かんできた。そしてそれを見せてきた。

 位置が悪く円にはステータスの詳細は見えないが、それでも、そういうことが出来るのかと驚いた。


(これはすごいな、まるでゲームみたいだ。こうかな?『ステータス』)




 名前:柊 円


 種族:人間(妖狐)


 年齢:16


 体力:D


 魔力:B


 耐久:D


 俊敏:A


 器用:S


 精神:C


 スキル

 剣術:A 千変万化 狐火


 称号

 先祖返り(妖狐) 異世界人




 円の目の前に、いきなりこんなことが書かれた板のようなものが現れた。


(おお!これはすごいな。ていうか妖狐って、書かれちゃってるな、どうしよう?)


「ステータスは、魂に刻まれているそうでこの世界では、十五歳になるとステータスが目覚めるのです。また、異世界の方は総じてステータスが高く勇者はさらに女神様から恩恵を与えられより強いステータスが得られるのだそうです。そして・・・」


 ステータスにはS・A・B・C・E・F・Gまでがあり、Sの方が強くGの方にいくほど弱い。

 スキルもまたステータス同様ランクがありS~Gまである。

 スキルは元々できる人はそれ以上にできない人それなりにできるようになるというものだ。また、ランクのない特殊スキルと呼ばれるものもある。

 円でいうところの千変万化や狐火である。

 特殊スキルといものもある。が、ここでは説明は割愛させていただく。

 魔法は無属性魔法を除いてスキルに魔法系のスキルがなければ素質が全くないことになり、魔法を使うことが出来ず、素質あるものも素質のない魔法を使うことはできないという。

 剣術などの技能スキルなどは、例えば剣を使えるようになったり、剣のぶれが少なくなったり、キレが鋭くなったり、という恩恵がもらえる。要するに扱うのがうまくなる、というものだ。


 ステータスを見て皆が騒いでいると、


「こ、これは!」


 と、信二が驚いている。


「『勇者』って書いてあるぞ!」


 どうやら、信二が勇者らしい。


(ほー、信二が勇者になったんだな)


「ほ、本当ですか?!」


 エミリヤが信二に聞く。


「は、はい。ここに」


 そう言いながら、エミリヤに見せるように信二はステータスを動かす。


「た、たしかに!あなたが勇者様ですか!」


 エミリヤが信二に襲い掛かるのではないかというくらいの勢いでい言う。


「そ、そうらしいです」


 信二は動揺しながらも答えを返している。


「どうか、この世界をお救いください勇者様!」


 エミリヤとその周りにいた兵士達が頭を下げる。

 すると信二が、


「ちょっ、ちょっと待ってください、その話を引き受ける前にいくつか質問をしてもいいですか?」


 と聞き、


「え、あ、はい!もちろんです」


 と答えた。


「では。あの、必要なのは僕だけなんですよね、なら、他の皆は元の世界に帰してもらえるんですよね?」


「そ、それは・・・」


 エミリヤは俯いてしまう。

 そして後ろに座っているいかにも王様って感じの人が、


「その質問には私が答えよう、勇者殿」


「あ、あなたは?」


(多分、王様かなんかだろうな)


「私は、このオウル国を治めている王、アンデン・オウルだ」


(やっぱり、王様だったか)


「帰れるかどうか、だな、残念だが変えることはできない」


「な、なんだって!?」


 クラスメイト達が騒ぎ出した。


「帰れないとはどういうことですか?!」


「この勇者召喚はあるアイテムを使って召喚したのだが帰すアイテムというものはないのだ。本当にすまない。しかしそれだけこちらも事態が緊迫しているのだ」


「そ、そんな・・・」


「もちろん皆の安全は保障しよう、金も渡す、この王城で暮らしてくれてもかまわない」


(それくらいは当たり前だな)


 と、円は思った。


「どうかお願いだ、勇者殿、この世界を救ってくれ、この通りだ」


「・・・少し、考えさせてください」


「うむ、分かった。部屋を用意している。まさかこんな大人数になるとは思っていなかったが、何とかなるだろう」


「わかりました。皆もとりあえずはこれでいいかな?」


 皆しぶしぶうなずいている。


「では、メイドたちに案内させよう」


 そうして、彼らは一人ひとり部屋に案内されていった。




「うーんすごいことになったな」


 円が案内されたのは、質素だが机やベッドなど最低限の物がある小さな個室だった。


「さてこれからどうしようか。とりあえず持ち物の確認でもするか」


 ということで持ち物を確認しだした。

 持っていたのはハンカチ一枚、ポケットティシュ一袋、財布ぐらいだった。


「異世界ねー、ほんとに来ちゃったんだな」


 ふと空を見上げるともう夜らしく、空が黒く月が見えていた。二つほど。


「て、ええ!?・・・これはすごいな、はは」


 円は異世界に来たのだと改めて実感した。


 柊円。身長は少し低く百六十センチほど、体は細いが、しっかりと筋肉のついた健康的な体をしており、髪は男子にしては長く、黒い髪がまっすぐ伸びていた。顔が少し女性っぽく、たまに女性に間違えられる。


「ステータスか。身体能力とかも変わっているらしいけど、あんまり実感ないな・・・これからどうするかな」


 そう言った円には、狐のような耳と尻尾が七本生えていた。

ちょっと無理矢理ですが、主人公の見た目入れました.

次はいきなりですが、円の過去編です。

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