プロローグ
よろしくお願いします
この話は一人称ですが次話から三人称です
それは冬休み前の学校でおきた。
「おはよー」
「おはよう」
高校生になって初の冬休みを目前とする、その教室はいつも以上に騒々しかった。
ガラガラッ!
「よー!円、おっはよー」
「・・・ん?ああ。おはよう、のぶちゃん」
信二が声をかけてきた。
「お前、その淡々とした口調でのぶちゃんとか呼ぶなよ、なんか変だぞ?」
「のぶちゃんがそう呼べといつも言ってきているんだろうが」
「いやそうだけどさ、もうちょいはじけた感じで、『のぶちゃんっ!おっはよー!』とかさー」
俺はそういう俺の姿を想像してみた。
「お前、それが俺だと思うか?」
「うーん・・・んん?なんか全然想像できないなぁ」
「そうだろう、そうだろう」
俺はうなずきながらそういう。
俺みたいな冷静なキャラがそんなこと言ってたら不自然だろう。
「慌ててるときの円ならぴったりだけどね」
「ん?天音か、おはよう」
「おっはよー、天音」
「おはよ。ナナもいるわよ」
「お、おはよう」
「おはよう、七海」
「おっはよー。ナナは相変わらず声ちいさいなー」
「ご、ごめんね、のぶ君」
そういって七海は下を向く。
「こら、のぶ!ナナに何言ってんのよ、ちゃんとあやまりなさい」
「ありゃりゃ、すまねぇ、ナナ」
「ううん、いいの。悪いのはあたしだから」
そういって、ナナはますます下を向く。
見かねて俺もナナを励ますことにした。
「おいおい、大丈夫か七海。おいのぶちゃん?」
「の~ぶ~!」
「わわわわ、ごめんてー!」
信二は逃げ出した。
「こらー!待てー、のぶー!」
天音は逃がさない。
「うわー!助けてくれー円ー!」
俺は無視して七海と話すことにした。
「そういえば、明日から冬休みだな」
「うん。でも確か円君とのぶ君は部活で、剣道の大会があるんだよね」
そうなのだ。俺たちは部で剣道の大会で出場することになっている。
俺は先鋒あいつは副将だ。
なんで一年がレギュラーなのかというと、人数が足りていないわけではない。
ここでは、試合をしてレギュラーの座を勝ち取っているのだが、俺たち二人は昔からある道場(というか俺の家)に通っていて、ちょっとした大会で優勝したこともあるのだ。
特に俺は幼い頃から剣を教えられていた。というのも、うちは上に二人兄弟がいるのだがそのどちらもが姉で剣術に興味がなく、待望の男の子ということでみっちり鍛えられていた。
信二も信二で小学校くらいからやっていて、結構強いと思う。
てなわけで、俺たちはすでに大分強く、こうしてレギュラーに選ばれたわけだ。
「大変だね円君は。剣道に剣術、居合いもだっけ?」
「それと空手な。まぁ、そっちはそんなにだけど」
そう、俺がやっているのは剣道だけじゃない。
うちはそもそも、武士の家系なのだ。柊流剣術というのだが、そもそもそれを、うちは基本に教えている。剣道は柊流剣術を剣道でできるように変えたものなのだ。
だから、剣道の道場というより、剣術全般の道場なのだ。
空手に関しては精神修行とその他にもちょっとした理由があるが七海たちに話すことはできない。
「そろそろホームルームが始まるな、あのあほ共もそろそろ席につかせておくか。天音、のぶちゃん、そろそろ時間だぞ。ばかやってないで席ついてろ」
「ちっ、仕留め損ねたか。のぶ、これに懲りたらもうあんなことはしないことね」
「ふー、助かった。あいよ了解。ナナもごめんな」
「ううん、大丈夫」
それから、クラスの皆が教室に集まったとき、それは起きた。
「?、なんだ、眩しいぞ」
「まって、床が光ってるわ!」
「なんだ、何が起きてるんだ?!」
クラスの皆が叫んでいる。
「光がだんだん強く!う、うわー」
光が俺たちを飲み込んだ。そして俺は意識を失った。
主人公や他のキャラの紹介はもうちょっとあとになるかもしれません。