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妖霊退治忍!くノ一妖斬帖  作者: 辻風一
第四話 対決!雷音寺一門
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忍法炎竜破!

 重戦車のごとく迫る大首妖怪。カッと開いた口腔内に、石臼のごとき歯列が並ぶのがみえる。紅羽を噛み砕く気だ!


「もう、御対面はたくさんだよっ!」


 紅羽、竜胆、黄蝶が右から六方手裏剣を巨顔妖怪に打ち込む。紅羽と竜胆は命中したが、黄蝶の手裡剣は明後日の方角に飛んでしまった。


「いだだだだだだだっ!!」


 妖怪五体面の表皮に手裏剣が刺さり、回転をやめて、地面にのた打ち回る。


「ぴえ~~ん……全部外れたのですぅぅ……」

「あたし達に当たらないだけ上達したよ、黄蝶!」

「そうなのですか!!」

「甘やかすでない、紅羽……」

「!!」


 ピョンピョンと跳ねて喜ぶ黄蝶の胴を赤黒い蛇のようなものが巻きつき、宙に吊り上げられた。良くみれば、赤黒いものは妖怪五体面の長くのびた舌であった。


「ぴえええええええええ~~~~ん!!!」

「ええいっ! この破廉恥はれんち妖怪めっ!!」


 竜胆が薙刀を斜めに切り上げると、長舌が切断されて黄蝶が解放された。とっさで受け身が取れない小柄な少女忍者を紅羽が両手で受け止める。五体面の舌の断面からすでに新しい舌が再生しつつあった。


「ありがとうなのですぅ……紅羽ちゃん……」

「いいってことさ……妖怪……よくも黄蝶を……」


 ポッと頬を赤らめる黄蝶を下ろし、眉をよせ、口を引き結んだ紅羽は太刀を青眼に構えて、赤い神気を刀身に集め、大上段から振り下ろす。赤い神気が渦巻き、火焔の竜巻を巻き起こり、火焔竜が大首妖怪を襲う。


「天摩忍法・炎竜破!」  


 巨顔妖怪は火焔竜に包まれて、あっという間に黒焦げとなった。


「ご……たい……め~~~~ん……」


 妖気が飛散し、妖怪五体面は燃え尽きる。


「やったあぁぁ!」


 両手を上げて万歳する紅羽。だが、黒い煙のなかにフワフワと浮かぶ塊を黄蝶が目撃した。


「あっ、妖魂が逃げるのですっ」


「ここは私の出番じゃな……六根清浄……絵馬封印!」


神道の巫女である竜胆が五角形の木の板・絵馬を取り出して呪文を口にすると、五体面の妖魂が無地の絵馬に吸い込まれ、妖怪画の墨絵となって封印された。巫女・竜胆の特技「絵馬封印術」である。


「おお……さすがは江戸でも指折りの妖怪退治人たちだ……」

「これで安心できる……」


 物陰から駒込の名主や寺の住職、神社の宮司たちが顔をだす。

 紅羽達は最近、駒込の土物店つちものだなに野菜を売りに来る農民や、白山神社や吉祥寺など神社仏閣の参拝客を驚かせて困っているとのことで、寺社奉行所を通して依頼されたのだ。


「いえいえ……あの程度の妖怪、朝飯前よ!」

「そうなのです。私たちは強いのですよ」

「また、調子のいいことをいいおってからに……」


 鼻を高くして、胸を張る紅羽と黄蝶を、竜胆がたしなめる。


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