あとがき
あとがき
と、いうわけで「くノ一妖斬帖」を最後まで読んでいただいてありがとうございます、作者の辻風一です。
「夜叉丸伝奇」のあとがきで、妖怪退治のくノ一物を書きたいといってから翌年になりましたが、やっと書けました。今回は短めに中編くらいの長さにしました。
秋芳尼を狙う二派の忍者団や、神仏習合なども描きたかったのですが、いずれ小出しということで……
いままで、硬めの文章ばかり書いていたので、ここまでくだけた感じで(私なりに)小説を書いたのは初めてです。
妖怪の正体は最後にあかす形式で、鬼髪にするか、毛羽毛現にするか迷いなが、見切り発車で書き始めました。
妖怪のアジトを地図で物色しているうちに、鐘ヶ淵と決めて調べてみたら、落語の「野ざらし」の舞台でもあるのですね。
女の恨みや愛憎をえがくには女妖怪の鬼髪がよいと決定しました。
ちなみに落語の「野ざらし」の主人公は美人の幽霊に出会いたくて悪戦苦闘する、この話とは真逆の話です。
とにかく、久々に小説を書いたら、ドーパミンが出て、楽しかったですねえ……
できれば感想なども書いていただけたら嬉しいです。
ではでは―――
2016年2月11日
辻風一