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◆勅令

続くかどうかは分かりません。

一人でも気に入って下さる方がいたら嬉しいです。

 (これは何の嫌がらせだっ!!)


 確かに自分はこの国の第二王子で、王族だ。

 そして、次期国王にと望まれている異母兄に次ぎ、第二位の王位継承者でもある。(実際は第三位だが。)


 これまでにも何度か不当な要求や、無理とも思える事を要求された事はあった。

 それでもそれらの総てがこの国の利益に繋がったからこそ、何とか怒りを堪えてやってきたが、今回だけは絶対に引き受けられない。


 ――ダンッ、バン!!


 重厚な、木で出来ている扉を乱暴に開け、病身の父である国王の代わりに、この国の政治の執務を執っている兄にズカズカと荒く歩み寄り、握りつぶした書類を突き付ける。


「何故俺があの国の皇女と結婚しなきゃならないんですか!!」


「相変わらず早とちりですね・・・。結婚ではなく婚約ですよ。ゼストラル将軍閣下。これも国の為です。」 


 表向きはね・・・?と薄く笑う異母兄は、本当に『白の貴公子』と言われ、日夜日頃、妙齢の令嬢達か

ら慕われている人物と同一人物なんだろうか。


 激しく納得がいかない。


 それでも国の為とこの兄が言うのなら、自分は従おう。


 異母兄はこの国の神であり、清らかで、潔癖でなければならない。

 闇に埋もれ、数多の血に濡れ、恨まれるのは自分の役目ではなく運命。


「――御意。全ては仰せのままに。」


 零歴1208年、まだ雪もちらつく初春。

 後にダラス王国の史実にその名を残す事になるであろうゼストラル・デル・イル・ダラスは、自分の花嫁となる皇女の年齢を知らぬまま、婚約を受け入れた。


 後に彼は愛しの妻と子供たちにせがまれ、当時の心境をこう語った。


 ――俺は、誰かに必要とされたかったのかも知れない。


 と。


 また、彼の残した日記にはこう記され、残っていた。


 ――どうせあの国の皇女の事だ。俺の容姿を見たら蔑むだろう。所詮は国同士の契約でしかない。俺に『愛』等と言う甘い感情はない。


 と。


 




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