表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社会不適合者の恋愛論  作者: 澄泉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/78

66話 ピアス

※少しだけ……ほんの少しだけ、今回は性的なニュアンスを含む描写(セリフ)が数文字あります。


苦手な方はスキップしてくださいね。



「はいどうぞ」

フワッと香るコーヒーを結城に出した


「うん、ありがとう」

ニッコリ笑う


箱根から帰ってきた2人は思い出話に花を咲かせる

買ってきたお土産を二人で分けて

あの店は良かったとかあの温泉は良かったとか。

笑いながら和やかな時間を過ごしていた


スン……と不意に結城は部屋の空気を吸った。

静かでなんの邪魔も入らない澪桜の部屋。

優しい清潔な香り

───安達さんの匂い。


彼女に包まれているような感覚がとても心地よくて最近は毎日感じないと耐えられなくなってきてる。

どんどん欲が増えていく。

「明日何時にしようか?」


当たり前のように交わされる

明日の約束


「そうだな……朝から行って……また何処かでランチでもする?」

結城も当たり前のように提案する


「そうだね。そうしよっか。明日は結城さんの食べたいものにしようね!」


「ラーメンとかいうかもよ俺。……いいの?」


「豚骨のみね!あとは認めん!!」


「えぇー?俺豚骨って食べたことないんだよねぇ〜」


そんなふうにいつもの会話が進んでいく。


話を聞きながら頷く拍子に垂れてくる横髪を耳にかける結城

その拍子に見える透明なピアス。


ハッと気付いて身を乗り出した

「ねぇねぇ!それ!いつ開けたんだい!?」


キラキラとした目で結城を見つめる


「ああ……これ?大学入る前だったかなぁ。」

と耳を触りながら若気の至りだったなぁと笑った


「あ!軟骨にまで開けたのかい!?痛そうだ!!すごい!!」

軟骨にある透明なピアスを見つけ

更に興奮気味で結城の耳を見つめる

かなりの熱視線。


「……触りたいの?」

ドキドキしながら

でも断られてもいいように冗談交じりで聞いた

触れてほしい。そう思いながら。


「え!?いいのかい!?

皮膚形成がどうなってるのかずっと気になってたんだ!

友達なんて1人しかいなかったから誰にも聞けなかった!!!

その友達は開けてなかったからね

流石に沙也加ちゃんには言えないし。」


ペラペラと捲し立てるように話す澪桜。かなりワクワクしている。


そんな姿が堪らなく愛おしい。

思わず綻ぶ口元。


「ふふふ。いいよ、ちょっと待って」

そう言って頭を傾けシリコンピアスを外した。

軟骨と、耳たぶのふたつを


「はい。どうぞ、好きに触って。」

そう言って目を瞑る

心臓がバクバクする結城


「では……遠慮なく。」

そっと触れる。

少し反応する結城。

緊張から吐息が漏れる


「おおお!!こんな感触なんだ!

凄い!芯がある!これが内側に形成された皮膚!!!」


ムニムニムニムニとずっと触る

縦横、斜めからずーーーっと触り続けるいや、揉み続ける。

力加減が弱くてくすぐったい結城は

頭を揺らしながら笑って聞く


「あははは!くすぐったい!

そんなに不思議なの?

安達さんは開けなかったの?」


「そんな自分を針で貫通するなんて恐ろしくて無理だよ!痛い!

それに結城さんの耳たぶ、弾力があってふっくらしてるんだね!耳全体が硬くて私のと全然ちがう!しっかりした耳!」


「貫通て……すごい言い方。

……というか、そんな違うの?耳の硬さが?」

キョトンとする結城


「うん、触ってみるかい?全然違うよ?」

ドキッとする。

触っていいのか……。本当に?

喉が鳴った


「……うん。触りたい。」

震える唇で呟く


「いいよ、はいどうぞ!薄くてペラペラだよあたしの耳」

そう言って髪をかきあげ

まとめて反対側の肩にかける


露になる白い肌

透ける血管。

美しく長い首そして……項───

結城は 初めて間近で見る澪桜の無防備な姿に衝動を覚えた。

だがどうにか制御して

恐る恐る耳に触れた。


むに……


一瞬止まる。

「あれ?何これ!?……うっす!!!!」

衝動が吹っ飛ぶ


なぜか自慢げにする澪桜

「ふふん!そうだろう!?薄いんだよ。いやぁビックリした。結城さんの耳弾力あるから。」


「すごい!!めっちゃ薄い!!え?!何これ!!!うわぁぁぁぁぁ!!耳穴もちっちゃ!!!」

ムニムニムニムニ!!!

物凄く揉んだ。


「カナル型イヤホンなんかも、なかなか見つからないのさ……穴も小さいし、柔らかいから引っかからない!音の良いやつ買いたいから余計にね!」


ふふふん!と更に饒舌になる。

残念自慢する澪桜。

その光景がものすごく残念。


「薄いし柔らかい!軟骨まで柔らかい!どうなってんの!?」

まじまじと近くに寄って触り続けたせいで

結城の吐息が耳にかかる。

ビクッ!

思わず身を捩った


「んぁっ!……ちょっ……はぁんっ」


ピタッと止まる空気……


澪桜は思わず立ち上がり結城から距離をとって口を抑える。

目を泳がせ

挙動不審に言う


「あっあれ!?もう10時じゃないか!

結城さん!明日も買い出しあるしっ……

そっそろそろ帰らないとっ疲れてるだろうっ……!!」


結城も焦って立ち上がり、ピアスを付けながらいそいそと支度した

「そっそうだね!!!明日の運転に差し支えたら事だよね!?……おっ……お邪魔しました!!帰ったらLINUするね!

また明日!朝迎えにくるから!!今日は楽しかった!ありがとうね!アンクレットも!!お……おやすみ!」


顔を真っ赤にし、

それでも律儀にお礼を言ったあと

バタバタと帰っていく


「うん!気を付けてね!また明日!」

澪桜も顔を真っ赤にしたまま

手を振った。


結城がドアを閉めたあと

澪桜はその場にへたり込む

顔を真っ赤にして手で口元を押さえたまま。


同じくドアを閉めたあと

澪桜の部屋の前で結城は髪をかきあげ荒れる呼吸を必死に整える

胸を掴んだまま


((何!?今の……!?!?!?))

シンクロする二人


澪桜は思う

(どうしよう……はっ……恥ずかしい!!!なんだ今の声!?どこから出たんだ!?ただ……耳に息がかかっただけなのに……電気が走ったみたいに……嫌だ……恥ずかしい!!!はしたない!!!!)


結城は思う

(何今の声!?……あだ……安達さんの……喘ぎ声!?……バカ!!何を考えてるんだ……!!!

いや……でも……可愛すぎた……。顔を真っ赤にして焦ってた。……あれは絶対……喘ぎ声……もっと聞きたかった……いやいや!!バカか俺は!!)


((……明日どんな顔して会えばいいんだ……))

またシンクロしてしまう2人だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ