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社会不適合者の恋愛論  作者: 澄泉


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61話 古今東西アラカルト

※今回物凄い虫の種類の羅列が出てきます。苦手な方は飛ばしてください。

Google検索はオススメしません。集合体恐怖症の方には特に…フェモラータオトモモブトハムシの幼虫。 成虫は綺麗ですけどね!



静かな車の中

2人の声だけが響く


「59」


「61」


「……67」


「71」


「73」


「79」


「……81」


「はい安達さんの負け!残念81は素数じゃありません」


ハンドルを切りながら笑って言う結城

余裕綽々な笑みだ。


「うおおおおお!!そうだったぁぁ……くそぅ!70の壁を超えたと思ったのに!!何で!?何で結城さんそんな強いんだい!?」


澪桜は悔しそうに髪をぐしゃぐしゃにする


「クックックッ……数独は苦手だけど素数くらいなら余裕。」


澪桜の悔しがり方が可愛くて

つい意地悪をしたくなる。


「ムカつく……言い方がムカつく!!」


「……じゃあ英語で言おうか?」


ニヤッと笑う


「やめろ!!余計ムカつく!!」


ダスダスと自分の太ももを叩く

よっぽど悔しいらしい。

眉を下げて結城は言った


「もー。安達さんから言ってきたんでしょ?古今東西やろうって。……乗ってあげただけなのに酷いなぁ」


「だって……負けると思わなかったんだもん……悔しい!他に勝てそうなもの……古今東西……毒!」


「……またそんなコアな事を言う。俺はテトロドトキシンしか知らないよ」


呆れて言う結城


「ぐっ……くそぅ……ブフォトキシンこないだ話したじゃないか!それに有名なリシンとかパリトキシンとか!知ってるだろう!?」


さも当たり前と言わんばかりに言ってくる。

結城は首を振りながら子供を宥めるように諭した


「……何それ?有名なんです?全然知らない。

もしブフォトキシン覚えてたとして2個しか知らないよ……それじゃ流石に勝負にならないでしょ。フェアじゃない」


「ぐぬぬぬぬぬ。……じゃあ……古今東西……虫」


「だからなんでそんな個性的な古今東西ばっかしたがるの!?もー、言い出したら聞かないんだから。

どうせアカボシゴマダラとかコアな事言うんでしょ!?」



「ほほう。分かってるねぇ……じゃあムネアカハラビロカマキリ」


「始まっちゃったよ!!!俺OKしてないのに!!あんま詳しくないのに!!」



「ふふふ。私もそんな詳しくないからいいじゃないか?」


「でた!謎の謙遜!!……でも俺がもし勝ったらどうするの?」


結城には全く勝算も自信もない。


ただ、今は

虫が嫌いなのに澪桜の知識の暴力によって覚えさせられた記憶を使う時。


……どうせなら勝った時のご褒美が欲しくなった。


「……そうきたかい?……じゃあ何でも一つだけ言うこと聞くよ。

そっちも私が勝ったら言うこと聞いてもらうからね?」


ニヤッと笑みを深める澪桜。


「……いいよ。その勝負受けて立ちますよ……カラスアゲハ」


鋭い目線で微笑む結城

何かを狙うように。


「モルフォ蝶」


「ゾウムシ」


「タケオオツクツク」


「ヒグラシ」


「キョウチクトウスズメ」


「────」

古今東西は続く───



意外と粘る結城。



澪桜は次第に焦り始めた

「くっ……ゴマダラカミキリ」


「フェモラータオオモモブトハムシ」


涼しげな顔で結城は続ける。


(フェっ!?……まさか結城さんが……今私が言おうとしたのに!!)


慌てて思考し違う名前を絞り出す

「……!……ハナムグリ」



「エラフスホソアカクワガタ」


結城は一か八か……最後の砦を言う。

これ以上昆虫は知らない


……澪桜の1番好きなクワガタの名前。


「……!!!!の……ノコギリクワガタ」


一瞬の静寂。


「はいー残念。さっきノコギリクワガタ言ったでしょ?俺の勝ち♥」


いつの間にか高速を降り見慣れない景色が広がる

結城は楽しそうにウィンカーをあげる。


「ぐあああああああ!!!そうだった!!!しまった!エラフスがまさか結城さんの口から出てくるとは思わなくて動揺したあああああああ!!!」


「じゃあ、約束通り一つだけ言うこと聞いてね安達さん。……何にしようかなー?後の楽しみにとっておこうかな」


くっくっくっと悪い笑い方をして

澪桜をおちょくる


「悔しい!!悔しすぎる!!!!ぐぅぅぅうっ!!

……でも約束は約束だからね……いいよ。何でも言うこと聞くよ!

くそぅ!!もうちょっとだったのに……あんなに詳しくなってるとは……」


ブツブツと文句を言ってる

でもなんだか楽しそうだ。


ふっ

と笑い……結城は話しかけた


「……少しは楽しめた?……今日のドライブ」


「それはもう!ずっと楽しかった。また帰りに素数の古今東西しようね!次は負けないから!!」


信号停止中に澪桜は身を乗り出すように結城に言う

満面の笑みで。


「……いいよ。いくらでも付き合うよ」


ニコニコと笑う澪桜の笑顔が

眩しいくらい可愛くて

目に焼き付けるように

思わず目を細めた。



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