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社会不適合者の恋愛論  作者: 澄泉
第1章
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第1章 エピローグ






カチ……カチ……


澪桜の部屋のシンプルな掛け時計の音が静寂の中、時を刻む


静かだが緊張感ではなく、幸福感だけが満ちた部屋


結城の肩に頭を預けたまま2人はずっと寄り添い揺れるカーテンを見つめていた


手を繋いだまま。



チラッと結城を見上げる

ガラスのような瞳が優しく景色を見つめている


「……何考えてる?」



綺麗な瞳がゆっくり澪桜に視線を落とした


「……この幸せが本物なんだって、噛み締めてた。……澪桜さんは?」



「私も同じこと考えていたよ。」



結城はフッと微笑んで静かに呟く

自分に言い聞かせるように


「俺達恋人になったんだね。」



風が抜ける


結城の柔らかな髪が揺れた


「酷いことしてごめんね?」


「……まだ言ってるのかい?お互い様だって。」


眉を下げ澪桜は困ったように笑った



「うん。ありがとうそう言ってくれて。やっぱ澪桜さんは優しいね……君のそういうとこ本当に好き」


「……あたしも君のそんな純粋なとこ好きだよ」



コテッと澪桜の方に頭を寄せて

嬉しさを噛み締めた。


揺れるカーテンに目を向けながら独り言のように呟く



「……俺さ、この先ずっと爺さんになるまで……いや、死ぬまで君に好きだって言わないまま傍にいるつもりだったからさ。」


「……そんなに私と一緒にいてくれる気だったのかい?それは初耳だね。」


「当たり前だよ!!離れる気なんてさらさらなかったもん!

……だから、なんか不思議なんだ。

今のこの状況が、人生で初めて好きになった澪桜さんと……恋人になれたって事がさ。」


「それは私もだよ。同じ同じ。この恋が実るなんて思ってなかったから。」


「正直、恋人ってなんだろう?何したらいいのかな?……レベルです、俺。

だから何か気になった事あったらすぐ言って?言う事聞くから。」


「……わかった、周さんもね?」



「うん。……俺きっと抜けた事すると思う。それでも呆れないで傍に居てくれる?なるべくちゃんとできるように努力するから。」


「抜けてるのは前からだから大丈夫だよw」


「もう!俺真面目に言ってるのにっ!!」


握った手を自分の太ももにタシタシと当てて拗ねる結城。

澪桜の好きだった幼さが滲み出る


心が温かくなった澪桜は、はにかんで結城に目を向ける


「……周さん。」


「ん?何??」


「……さっきちゃんと言えなかったけど、今言うよ」


「うん……?」


「私も愛してる。」


「っっっ!!!!!!!ぐあっ!!!!!」


あまりの衝撃に

仰け反りすぎて背中がつった。



「?……どっどうしたの?」


「……なんでそんなすんごいタイミングでぶっ込んでくるの……俺死んじゃう。」


痛みと戦いながら物申した

そんな結城の背中を摩り笑いながら言う


「あははは!!それは困る。死なない程度に加減せねば!」


「加減てなんだよ!加減て!!……いててて。」


「……ねぇ、周さん、これからは恋人として末永くよろしくね。」


まっすぐに結城に顔を向けた

それに返すように顔を澪桜に向け近づく。


「……こちらこそ。恋人として末永くよろしくね。澪桜さん」


コツン

おでこを合わせて二人で笑った。



「さて!お腹すいてきたし、久しぶりの二人での晩御飯に致しますか!」


「やったぁ!俺何か手伝える?何したらいい!?」


周さんとの

親友という関係はこれで終わり。

少し寂しい気もするけど、彼は変わらない。

純粋で優しくて穏やかで、ちょっとポンコツで。


親友だった頃以上に私の傍に居てくれることだろう。


これから新しく始まる恋人としての日々。

たくさん思い出を作って

たくさん笑って過ごそうね。


ふにゃっと笑う結城の顔を見て心の中でそう呟いた



ここまでお付き合い頂いた皆様、本当に本当にありがとうございました。


皆様が来てくださるから改稿も踏まえここまで続けられたと思っております。


まだ最終回ではございませんが、ここが一区切りとしてご挨拶させて頂きました。


ここから新しくスタートする2人ですが、もし宜しければまたお付き合い頂けたら幸いです。

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― 新着の感想 ―
お互いを思いやるからこその、見ていて胸が苦しくなる程の2人のすれ違い。 それが、隣り合って同じ時間を穏やかに過ごせてて…本当に安心しました。 執筆、お疲れ様でした。
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