第82話 話せない存在
こんばんはー!
今夜はちょっとマイナーで変わったお話を見つけたんだ。
その存在は、ふふっ、なんと話せない存在なんだよ!
面白いだろう?
某子供向けのお話に出てくるあの存在のような感じで。
でも、決定的に違うのは、ボクが話す子は知っているのに分かっているのに
言葉にしようとするとどうしても表現できなくなるんだ。
文字どころか絵にもできない!
ソレを見てしまった人の脳裏には明確に姿があるのに。
どう? ちょっと興味もった?
◇◆◇◆◇◆◇
ワタシは後悔しながら、アレから隠れている。
廃病院に肝試しに大学の友達と一緒に来ていた。
カオリがはぐれて、探しに行った時にアレを見てしまった。
アレがカオリを貫いて殺しているのを見て、逃げた。
一緒に来ていたトモキやミユキ、サトルの所に逃げたのに、
何故かアレの話ができなかった。
アレの話をしようとすると言葉にならなくて
「カオリが!!」としか言えなくて、みんなが分からなくて混乱している間に
アレはトモキの頭を掴んで殺してしまった。
ミユキはそれを見てショックを受けて、腰が抜けたように座り込んでしまった。
ワタシはサトルに手を引かれて一緒に逃げた。
逃げた先で、ミユキの悲鳴を聞いたけど、恐ろしくて振り向けない。
涙が溢れて、怖くて、心臓がバクバク言うのを無理矢理押さえつけて
サトルと逃げた。
こんな怖いことになるなんて、一ミリも想像もしなかった。
サトルと小さな部屋に入って、声を殺して隠れた。
ボロボロ零れる涙は止められないけど、声だけは出ないように自分で口をふさぐ。
サトルも真っ青な顔をしながら見つからないように私を奥に隠してくれた。
「チアキ、声出すなよ。まだ離れた所に、サナとテツオがいる。
ものを投げてアイツの気を逸らしたら出口へ走るぞ」
サトルの言葉に頷きながら、何も知らない二人を助けなければと思って涙を拭う。
隠れている部屋の窓から外に向かって
サトルがその辺に転がっていた瓦礫を投げつけると凄い音がした。
近くまで聞こえていた足音がそちらに向かうのを確認してから
足音を忍ばせて入り口へと走った。
サトルと二人、ようやく位置口から出られた、そう思った次の瞬間
血を吐き出してサトルが宙づりにされた。
「ひっ……い、いや、いやいやいや」
「チ……、ニ……ニゲ…………」
アレはワタシの顔を覗き込んで、嗤った。
◇◆◇◆◇◆◇
うーん、これぞ理解不能で理不尽な存在だね!
それにしても、なんできみたちは危ないと言われている所に行くんだろうね?
まあ、でも好きで行っているんだから仕方ないよね。
こうなるのも、本望じゃない?
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




