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黒猫の図書館  作者: あるる


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第72話 公園

 やあ、こんばんは!


 今夜はボクが紹介したいお話があるんだけど、どうかな?

 そうそう、聞いた事がありそうで、でも知らない身近に潜むお話さ!


 公園のブランコってきみはどんな乗り方をした?

 1回転しようとする子や、チェーンの部分でアクロバティックな動きをする子

 ある程度高さを出したらブランコからジャンプで飛び降りる子。


 よくよく考えると、中々危険なことをしている事ってあるよね。

 それも含めて公園にあるブランコって滑り台やジャングルジムと並ぶ大事な遊具だよね!


 今日はそんなブランコに纏わるお話だよ!


 ◇◆◇◆◇◆◇



 その小さな公園は団地の中にあったから

 使うのはほとんど団地に住む子供だった。


 大した遊具もないけど、子供が集まるにはちょうど良かった。

 今日は珍しくチビたちがいなくて、オレらは思い思いに遊んでいた。


 キィ、キィと音を立てながら二人高さ勝負を始めたのを見て

 思わずオレは血の気が引いてしまう。



 他の奴等がはやし立てている中、オレの耳にはキィ、キィと言う音が離れない。

 止めて欲しい、嫌な汗が出てくるけど声が出ない。


 その間にも二人のブランコはどんどん高くなっていく。


 ダメだ、それ以上は!!


 そう叫びたいのに、オレの口から声が出ない。

 ヒューヒューと息だけが抜け、心臓が嫌な音を立てている。


「おい、おい! ミツル!!」


 肩をグイッと引かれて、ハッ!と意識が引き戻される。

 オレをなおも揺らしている悠斗と目が合った。


「ミツル、お前めちゃくちゃ顔色悪いけど、大丈夫か?」

「…………あっ」


 ようやく声がでた。

 ブランコしか見えていなかった。


「悠斗、あのブランコ、壊れてるかもしれないから止めないと!」

「マジか! おーい!! タクマ、シンジ、やめろ!!」


 悠斗の声に反応するも、ブランコはまだキイキイとなりながら

 地面と平行近くまで上がっていた。



 ギチィ、と言うような嫌な音を立てて、とうとうタクマの乗っていたブランコの付け根が崩壊した。



 その後は悪夢だった。

 思い切り放り出されたタクマは壊れた人形のようになり

 壊れたブランコはもうひとつに乗っていたシンジを襲い、シンジも壊された粘土細工のようになってしまった。




 そして、公園のブランコは撤去された。

 なのに、今でも夕方になるとキィ、キィとブランコの音が鳴る。


 オレを呼んでいる……。



 ◇◆◇◆◇◆◇



 うわぁ~、思った以上の悲劇だねぇ……。

 彼はなんでブランコをあんなに怖がっていたんだろうね?


 呼ばれているって言ってたし

 そもそも、そのブランコで誰かが待っていたのかもね!


 彼はブランコから逃げ切れるといいね~。


 さあ、今宵はこちらでお終い。


 また次のお話しを楽しみにね!


読んでいただきありがとうございます!

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