第59話 合わせ鏡
やあ、いらっしゃい!
どうしたんだい?
なんか悩んでいるように見えるけど……。
他人の死の話は色々読んで来たけど
自分の死はどうなるか、かぁ。
また凄いものを知りたがるね!
ちなみにきみはどんな風に死にたいとかあるの?
むしろ無いから、興味あるのかぁ~。
はは、きみは本当にフツウとは違ってて面白いね。
じゃあ、今夜はこんな定番のお話で行こうかな。
◇◆◇◆◇◆◇
黒猫に連れられて、僕は深夜にミラーハウスのような場所に連れて来られた。
確かに定番の合わせ鏡、だね。
どこからともなく黒猫の声がする。
『もうすぐ時間だよ、合わせ鏡の4番目が死につながると言われているよ』
楽しそうに木霊するカレの声に、少しワクワクする。
そういえば、合わせ鏡には色々な都市伝説がある。
12番目、13番目が自分と違う動きをしたらそれは偽者だとか。
10分以上眺めてはいけない、とか。
どの位のタブーを犯したら、何か起きてしまうのだろうか?
黒猫は僕がおかしなことをするほど、笑ってくれそうな気がするんだよね。
ふふふ、なんでこんなに僕は危ないことをしようとするんだろうね?
僕も僕自身が分からないから、面白いな。
思えば、怖い話を面白いと思うようになったのは
人が怖がっているのが興味深かったからかもしれない。
人が怖がるものが、不思議だった。
それは怖いのか、と。
そう考えると、僕は最初から少しおかしいのかもしれない。
でも、僕にも怖いものがあったのに、それもやっぱり面白いな。
僕の経験、記憶、思い出も全部全部今は少し遠くて
同時に今も僕のモノでもある。
この不思議な感覚はなんて言えばいいのだろうか?
共有したからこその、他人事感と言うべきなのかな?
ああ、時間になったようだ。
僕の『死』は一体どんなだろうね?
しっかり数えて4番目を良く見る。
自分の顔と後ろ姿が映っているのは不思議な気分だ。
どの顔の僕もみんな楽しそうに笑っている。
4番目も。
眺めていても、僕の表情は特に変わることは無かった。
……ふっ、そっか、そうだったんだね。
ねえ、黒猫くん。キミはこの結末を最初から知っていたのかな?
やっぱりここは楽しいな。
黒猫くんが教えてくれる話はいつもいつも興味深い。
明日は、また新しいお話を一緒に作ろうか?
◇◆◇◆◇◆◇
ふふふ、彼は気付いたみたいだね?
彼の死に顔の意味。
彼はあまりに逸材だから、ボクもドキドキなんだ。
明日はきっとまた凄いお話をしてくれるだろうね!
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んていただき、ありがとうございます!




