第58話 蟲毒
こんばんはー!
やあ、今日も楽しそうだね~。
今夜はどんなネタにするんだい?
ほうほう、理不尽さに全振りしたお話しかか!
日本のホラーらしい、良いテーマだね。
ふふ、ボクは好きだよ。
じゃあ、どんな理不尽な話になるかはお楽しみに!
きみの思考に沿っているはずだよ!
◇◆◇◆◇◆◇
ソレは全てを呪って、全てを恨んでいた。
まるで煮凝りのように、恨みを憎しみで煮詰めたようなソレ。
死した後も、生きとし生けるものを呪い、恨み、蝕む呪いとなった。
何人もの霊媒師などが浄化させよう、封印しようとしたが
その全てを食い破ってソレは存在した。
ソレが望むのは終焉のみ。
しかも質が悪いことに、一見ソレは美しく見える。
何も知らない幼子が心惹かれるような無垢なる見た目。
ソレは幼子を引き付け、その幼子を介して家族を呪う。
無知なる幼子も最後には呪い殺される。
呪いそのものであるソレに慈悲などは無い。
ただ、全てを呪い殺さんがため、いつも待っている。
それは廃棄されようとも、草木も土さえも殺し、やがてまた人里に戻って来る。
そしてまた、ソレは何も知らないものの手に渡った。
ソレはまた命あるものが在ることに憤り、同時にまだ呪い殺せることに歓喜した
そして愚かにも、ソレは多くの人の目に触れる場所に置かれた。
けれど、物事はソレがおもうようには行かなかった。
多くの目に触れるようになった反面、ソレに直接触れるものは居なくなってしまったのだ。
想定外だった。
ソレが望む状況ではなかった。
ソレは悩んだ結果、器を捨てることにした
形も、入れ物も、ソレである必要は無かった。
ヒトを惹きつけられるモノであればそれで良かった。
そして、最悪の呪いは自由になった。
呪い自体が擦り切れ、ソレの意識が消えるその日まで
ヒトからヒトへと渡る。
既に理由や原因などは摩耗してない。
ただ、ソレはソレであるがゆえに、ヒトを呪う。
◇◆◇◆◇◆◇
典型的な呪いの話はいかがだったかな?
ヒトは色んな呪いを作って来たからね。
方向性を失った時はこうなるよね、だって殺意と悪意のごった煮だもの。
きみなら、こんな呪いをどうするのかな?
人の目に触れ、人の触れる場所、そんな都合の良い場所は……
意外と身近にあるね。
そう、きみがいつも手に持っている、ソレだよ。
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




