第57話 思い出
やあ、こんばんは!
ねえ、きみには大事な場所ってある?
そうそう、思い出の母校とか、とういうのだよ!
思い出の中の美しい場所
久々に行ってみると、こんなもんだっけ?って
なるのも含めて良い思い出だよね。
さて、今日はそんな思い出の場所に向かうお話だよ!
◇◆◇◆◇◆◇
私は子供の頃、3~4年おきに引っ越しだったのが辛かった。
父親の仕事の関係だから仕方ないけど……。
そんな私には「地元」という感覚がどこにもない。
ただ、親友と出会ったあの街だけは、未だに忘れられない。
同時に、親友が事故で亡くなってしまって
あの街に行くことも、帰ることももう無くなってしまった。
でも、親友と一緒に見たあの夕暮れの海が見たくて
思い立って一人でそっと行ってみた。
もう知っている人もいない街は知らない場所で
知っているはずなのに、知らなくて、迷子になったような気分だった。
なんともアンニュイな気分のまま、なんとなく覚えていた道を辿ると
海が見えたはず(・・)の小高い公園に着いた。
不思議なことに、公園は記憶にある公園と大きく差はないのに
海は無かった。
松の木が海側に植えられていて
潮風が、ちょっとベタつくけど嫌いじゃなかったのに。
松の向こうには平原が広がっていて、奥に山が見えた。
……ここはどこなんだろう?
私は完全に思考停止していた。
これが海が埋め立てられて、とかだったらまだ分かるけど
山はありえない。
あの夕日に照らされた海は、一体どこに行ったのだろう?
似た場所がないかウェブで検索しても出てこない。
その辺を歩いている人に聞いても海はないと言われる。
でも、間違いなく私の記憶には潮の匂いも、
松の匂いも、親友の笑顔も全部が残っている。
その日から、私は時間を見つけてはあの場所を探している。
それはまるで、あの子の痕跡を探すような。
あの場所どころか、あの子がいなかったなんて
私は認められる訳がなかった。
彼女の言葉、彼女の笑顔、彼女の存在が
引っ越しを繰り返し、友人のいない私の救いだった。
だから、ワタシは必ず、あの場所を見つけて見せる……!
◇◆◇◆◇◆◇
人の記憶はあまり当てにならないとはいえ、
一緒にいた人も知っている人がいないなんてね。
カノジョは一体誰と居たんだろうね?
そもそも、その場所って本当にあるのかな?
考えるとドキドキしちゃう!
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




