第55話 白の空間【後編】
ふふ、お寝坊さんがそろそろ目が覚めそうだね!
真っ白な、何もない空間で彼は何を考えて
どんな手段でこちらの世界に帰って来るんだろう?
ボクは、どんな結果になってももう楽しみだな!
さあ、はじまりだよ~!
◇◆◇◆◇◆◇
「うん? ……ここは?」
目に痛いくらいの真っ白な空間。
一瞬どこにいるのかが分からなくなったけど、すぐ思い出した。
「そっか、まだこの白い部屋にいるのか」
伸びをすると、多少体が強張っていたけど、
床で寝ていた割には痛みもないし、意外とスッキリしている。
でも、ちょっとここにいるのも飽きたな。
せめて紙と鉛筆があればいいのに。
僕は割と引きこもるのが苦にならないタイプだけど
人恋しいタイプだったら辛いだろうな。
ああ、明るいと眠れないタイプの人もしんどいかもしれない。
僕はどっちでもないからな。
誰もいないのをいいことに好きな歌を口ずさむ。
ここが精神世界的なものだったら、色々改造して楽しめたのにな。
もしくは、これは僕の行動全てが見張られているパターンかな?
それなら、少しは怖がった方が良かったのかな?
まあ、でもそれは僕らしくはないしね。
それにしても、どの位の時間が経っているんだろう?
というか、黒猫の名前を知らないなぁ。
カレはなんて言うんだろ?
「ねえ、黒猫くん、見ている?」
反応はない、と。
うーん、あれ? もしかしてこの部屋少し狭くなっている?
まあ、全てが白くてあまり空間把握もできないから、いいか。
やることが無さ過ぎて、徐々に僕の思考も鈍くなり
寝ては起きてボーっとするだけになってきた。
部屋はどんどん狭くなって、
今では僕が横になるだけのスペースしかない。
でも、息苦しくもないし、やっぱり空腹も何もない。
どうするのが正解なのかは分からないな。
嗚呼、そうか、僕がこの状況に何を思うか、だったね。
僕は、「仕方ないな」って受け入れてしまいそうだよ。
そうか、僕は執着があまりないんだ。僕自身も含めて。
答えはこれでいいかな?
◇◆◇◆◇◆◇
やあ、おかえり!
思った以上に、というより普通にあの環境でゆったりしてたね!
きみは本当に想定外な反応ばかりでボクは楽しいよ!
でも、そろそろ時間だよ。また、おいでね。
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




