第52話 不老不死
いらっしゃーい!
今夜は、きみに聞きたい事があるんだ!
ねえ、古今東西偉い人たちはみーんな不老不死を願うじゃん?
きみも不老不死に興味あったりする?
ずぅ~っと長生きしたかったりする?
まあ、あんまり実感ないよね?
じゃあ、ずーっと生きるってどんなことかお話を見てみようか!
◇◆◇◆◇◆◇
ソレは気付いた頃には、そこで生きていた。
ソレは自己主張するわけではないけど、そのサイズから
長く生きていることはよく分かる。
長生きしているソレの年齢を知る者はいなかった。
みんな口をそろえて「気付いたらもういたんだよね」という。
とある日、小学生くらいの少年たちがソレを蹴ったりして
いじめていた。
流石に見かねて止め、保護した時はもうダメかと思った。
ぐったりしていたカナヘビのようなソレはぐったりとして
可哀相だったので木の根元にそっと置いてやった。
なんとも言えない罪悪感はあるが、これ以上自分に出来ることもない。
その日はそのまま帰宅し、翌日なんとなくまた寄ってみた。
すると、ソレは何事もなかったかのように
いつもの定位置で日向ぼっこをしていた。
昨日見た、瀕死のカナヘビはなんだったのだろう?
「あ、昨日のオッサン!」
「オッサンはさすがに酷いだろ」
昨日の小学生たちに返すとケラケラ笑っている。
「なあ、ソイツって昨日のカナヘビか?」
「そうだよー! ソイツはオバケカナヘビっていわれるんだぜ」
「ぜってー死んだわ!ってなっても、翌日普通にそこにいるんだ」
見間違いでは、ない? そんな馬鹿な……。
「違うカナヘビな可能性はないの?」
「みんなそう思うんだよ。だから、ペンでマーク付けた事もあるんだ。
ソイツの腹にまだそのマークまだ残ってるよ」
そっと捕獲してカナヘビのお腹を見ると青の油性ペンで書かれた
マークが確かにあった。
「な? ほんとだったろ?」
「うん、びっくりしたよ」
「オッサン、あんまそいつに優しくするなよ?
気に入られると大変なことになるぞ」
「おいっ!」
唐突な内容に驚いていると
少年たちでごにょごにょ話してそのまま逃げるように帰ってしまった。
「コイツに優しくしちゃいけない、のか?」
『酷い言われようだ。ボクは親切にしてくれたヒトに恩返しをしただけなのに』
「えっ……」
『さて、お主も不老不死を願うか? 何をされても死なないぞ』
その一言で分かった、昨日の死にかけていたのは本当に死にかけるほどの重体で
しれが一晩で治るのだと。
ボクは、ソレの提案になんと答えるべきか――。
◇◆◇◆◇◆◇
ひゃあ~、死にかけても死ぬことはないなんて!
どっちが幸せなんだと思う?
きみならどうするかい?
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




